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▼ 裁決事例集 No.60 - 96頁
 確定申告は、納税者の判断とその責任において、申告手続を第三者に依頼して納税者の代理又は代行者として申告させることもできるが、その場合であっても、納税者が第三者に申告手続を一任した以上、その者がした申告は納税者自身が行ったものとして取り扱うべきである。
 請求人は、平成5年分については、源泉徴収票を本来の当該診療所事業者(以下、「事業者」という。)らに渡し、平成6年分については、すでに勤務先の病院を退職しているにもかかわらず、確定申告書の用紙及び源泉徴収票を事業者らに渡しているのであって、請求人は、その確定申告手続の代行を事業者らに一任したものといわざるを得ない。
 請求人は、事業者らに依頼したのは、その給与所得の申告手続のみであり、本件事業所得の申告手続は依頼していない旨の主張もするが、請求人は、本件事業所得の金額も記載された平成6年分所得税の更正の請求書を提出している上、本件事業所得の申告により高額となった住民税を事業者らに負担させていること、さらに、所得税法第232条第1項の規定により財産及び債務の明細書を提出しなければならないのは総所得金額及び山林所得金額の合計額が二千万円を超える場合に限られるところ、請求人は、平成6年分の所得税について、本件事業所得の金額が加算されたことにより総所得金額が二千万円を超えたとして財産及び債務の明細書を提出していることからすると、やはり請求人は本件事業所得の申告手続についても事業者らに依頼していたというべきである。
 請求人は、当該診療所の実質的な経営者ではないにもかかわらず、事業者から開設者及び管理者となることを依頼されて、これを承諾し診療所の開設届を提出して、自ら本件事業所得が請求人の所得であるかのように装っただけでなく、請求人から確定申告手続の依頼を受けた事業者においても、本件事業所得が事業者自身の所得であることを承知の上、当該診療所の事業に係る収入及び経費の管理並びにこれらの入出金を請求人名義の銀行口座を使用して行い、請求人名義で発行された支払基金からの支払調書を添付して、本件事業所得が請求人の所得であるように装って、これに基づき還付金に相当する税額を過大に申告しているのであって、これらのことは、本件各年分において国税通則法第68条第1項に規定する場合に該当する。
平成12年10月18日裁決




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