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裁決事例集 No.17 - 27頁

 資産の利用を目的として資産を取得した場合におけるその資産の取得のための借入金の利子の性格は、当該資産を供した利用目的のための費用と観念するのが通常であって、その利用によって収入を得た場合においては、当該利子は、不動産所得の金額の計算上控除すべき必要経費に該当し、他方、資産を譲渡することにより値上がり益を得ることを目的として資産を取得した場合においては、資産取得のための借入金の利子のうち、譲渡の日までの部分に対応する金額は、譲渡収入を得るための通常、かつ、必要な費用と考えられ、資産の取得に要した金額に該当するものと解される。
 資産の取得の目的は、取得者の内心に係る事柄であり、第三者がその真意を知ることは困難であること及び取得時の取得目的がその後において変更されることが少なくないことを考慮すると、資産の種類、性質、形状その他外形的に判断できる利用の結果等からみて、客観的にその目的及び目的の変更を認定するのが合理的であるから、たとえ個人がその内心においては業務の用又は居住等の用に供する目的で資産を取得した場合であっても、何らの用に供することなく譲渡した場合には、当初から値上がり益を得ることを目的として取得したものとして、取得のために要した借入金の利子は取得費に算入し、また、内心においては値上がり益を得る目的で資産を取得した場合であっても、その後において目的を変更して業務の用又は居住等の用に供した場合には、その時以後の期間に対応する借入金の利子は、業務上の必要経費又は家事費に当たると解するのが、それぞれ租税負担の合理性、衡平性の観点からみて相当である。
 借入金の担保のための抵当権設定費用及び借入金債務返済契約の公正証書作成費用は、借入金債務に付随する費用であって借入金利子と同性質のものであるから、借入金利子が資産の取得費を構成するのと同様の理由によって資産の取得費に含まれると解するのが相当である。

昭和54年9月27日裁決




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