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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2018年7月1日~2019年6月30日) | 日税連保険サービス

増資のシミュレーションにおいて、外形標準課税のメリットのみを考慮し、留保金課税のデメリットを考慮しなかったため過大納付税額が発生した事例



【概要】
 税理士は、平成29 年10月、依頼者法人より税金対策の相談を受け、資本金1億円超への増資による事業税の外形標準課税適用の税効果について説明したところ、有利不利の税負担シミュレーションの依頼を受け、後日シミュレーション結果を報告した。依頼者法人は、この報告に基づき、同年12月中旬に増資を決議実行した。
 平成30 年3月、税理士は、平成29年12月期法人税確定申告書を電子申告により提出した。
 翌月、依頼者法人より増資による税効果の報告依頼を受け税理士が確認したところ、試算時のミスを発見した。依頼者法人の経理担当者へ過誤を報告したところ、損害賠償請求を受けた。


【詳細】
事故発覚の経緯
●依頼者法人より税効果の報告依頼を受け確認していたところ、誤りを発見し発覚した。

事故の原因
●税理士が、依頼者法人の増資による税負担シミュレーションの依頼を受け、誤って増資をする方が有利であると報告してしまったこと。実際は留保金課税の考慮を失念しており、増資をしない方が有利であった。
●シミュレーションにあたって特定同族会社の留保金課税は基本的な論点であるが、それを考慮していなかったこと、また、使用ソフトへ正確な株主情報を入力していなかったこと等、関与先の重要な経営判断をアドバイスする立場にあったにもかかわらず、慎重さに欠ける対応となってしまった。

税賠保険における判断
●税理士が留保金課税を考慮し、正しいシミュレーションを作成し報告していれば依頼者法人は増資を行わなかったことから、誤ったシミュレーションを作成し報告したことは、税理士に責任ありと判断された。
●税金対策の観点から増資をするか否かの相談は、課税要件の事実発生前に行う税務にかかわる指導、助言に該当することから、発生した過大納付法人税額は事前税務相談業務担保特約の保険金支払対象となった。

支払保険金
●特定同族会社の留保金課税が適用されることによる過大納付法人税額約1,500万円から税効果による回復額約400万円を差し引いた約1,100万円を認容損害額とし、免責金額30万円を控除した約1,070万円が保険金として支払われた。





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