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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2019年7月1日~2020年6月30日) | 日税連保険サービス

被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の適用を失念したことにより、過大納付所得税額が発生した事例



【概要】
 税理士は、依頼者の令和元年分の所得税につき、相続により取得した被相続人の居住用財産の譲渡に被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(以下、空き家に係る3,000万円の特別控除という)の適用を受けるべく、譲渡価額を1億円以下に抑えるよう助言をしていたが、売買契約が9,990万円で締結される旨の連絡を受けた際、適切な助言を怠ったため、売買代金9,990万円と固定資産税精算金約15万円により譲渡価額が1億円を超えてしまい、適用が受けられなくなってしまった。
 これにより発生した過大納付所得税額等について、税理士は依頼者から損害賠償請求を受けた。


【詳細】
事故発覚の経緯
●税理士が依頼者の譲渡所得申告書の準備をしていた際に、譲渡価格が1億円を超えていることに気付き事故が発覚した。

事故の原因
●仲介する不動産会社から9,990万円の申込みがあった旨の連絡をメールで受けた際、その確認を怠り、その場に応じた適切な助言ができなかったため。

税賠保険における判断
●依頼者は、平成29年6月に発生した相続により取得した被相続人の居住用財産を売却する旨を事前に税理士に相談していたが、結果として売買代金の上限を10万円上回る9,990万円で契約が締結されてしまった。
●売買代金が上限を上回る金額である旨の連絡を受けた時点で、適切な助言をしていれば、譲渡価額を1億円以下に抑えることで、上記特別控除を適用することができたことから、税理士に責任ありと判断された。
●譲渡価格をいくらにすれば税務上効果的か等の相談は、課税要件の事実発生前に行う税務にかかわる指導・助言に該当することから、発生した過大納付所得税額等は事前税務相談業務担保特約の保険金支払対象となった。

支払保険金
●過大納付所得税額約1,200万円より10万円高く売却できたことによる譲渡収入の増加額等に係る回復額約15万円を差し引いた約1,185万円を認容損害額とし、免責金額30万円を控除した約1,155万円が保険金として支払われた。





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