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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2017年7月1日~2018年6月30日) | 日税連保険サービス

【事前税務相談】適用になる仕入税額控除計算方式についての助言誤りによって過大納付税額が発生した事例



【概要】
税理士は、依頼者より土地譲渡についての相談を受けた際、仕入税額控除の計算方式がどうなるかを確認せずに当該事業年度における土地譲渡を勧め、依頼者は譲渡を実行した。

税理士は、消費税の申告作業中に、個別対応方式を選択した方が有利であることに気付いたが、依頼者は前期に一括比例配分方式を選択していたため、当期においても一括比例配分方式により申告せざるを得なかった。

税理士が仕入税額控除の計算方式を確認し、翌期での譲渡を勧めていれば過大納付税額は発生しなかったとして、税理士は依頼者から損害賠償請求を受けた。


【詳細】
仕入税額控除の計算方式は、個別対応方式と一括比例配分方式があるが、一括比例配分方式を選択した場合、一括比例配分方式を2年間以上継続して適用した後でなければ個別対応方式に変更することはできないため、選択にあたっては、適用事業年度だけでなく、翌期も考慮して検討等することが重要である。

本件においては、税理士は、一括比例配分方式適用2年目に依頼者より土地譲渡の相談を受けている。その際、土地譲渡の時期と選択できる仕入税額の計算方式について適切な助言を行う必要があった。

本件では土地譲渡が翌事業年度終了間近に実行されたこと、譲渡先が依頼者の関係法人であったこと等から、譲渡が翌期になったとしても同様の条件で譲渡可能であったことが確認できた。

税理士が翌期に譲渡した方が消費税計算上有利であるとの正しい助言をおこなっていれば、譲渡は翌期になったものと認められる。

従って、当該事業年度における土地譲渡を勧めた税理士に責任ありと判断され、一括比例配分方式により発生した過大納付消費税額約400万円を認容損害額とし、免責金額30万円を差し引いた約370万円が保険金として支払われた。

なお、土地をいつ譲渡すれば税務上効果的か等の相談は、課税要件の事実発生前に行う税務にかかわる指導・助言に該当することから、発生した過大納付消費税額等は事前税務相談業務担保特約の保険金支払対象となった。





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