▼ 裁決事例集 No.69 - 145頁 請求人は、介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定を受けている配偶者が、指定居宅介護事業者であるA社会福祉法人から居宅サービス計画に基づき受けている居宅サービス(通所介護、福祉用具の貸与及び食事代)が治療上有用であることは、担当医師もこれを認めていることから、所得税基本通達73ー6《保健師以外の者から受ける療養上の世話》にいう「療養上の世話を受けるために特に依頼したものから受ける療養上の世話」に該当するので、当該居宅サービスの対価は医療費控除の対象となると主張する。 しかしながら、所得税基本通達73−6は、保健師、看護師又は準看護師以外の者で療養上の世話を受けるために特に依頼したものから受ける療養上の世話も含まれる旨定め、平成12年6月8日付課所4−11「介護保険制度下での居宅サービスの対価に係る医療費控除の取扱いについて(法令解釈通達)」(以下「本件法令解釈通達」という。)は、居宅サービス計画に医療系サービス(訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション)のいずれかが位置づけられている者を対象として、当該対象者が支出した[1]訪問介護、[2]訪問入浴介護、[3]通所介護及び[4]短期入所生活保護(以下、これらを総称して「対象居宅サービス」という。)に要する費用に係る利用者負担金を「療養上の世話を受けるために特に依頼した者による療養上の世話の対価」として医療費控除の対象とする旨を定めているが、これらの各通達は、医療の対価と評価できるものについてこれを医療費控除の対象としている法の趣旨に照らし相当であると認められるところ、請求人の支出した通所介護の対価は、その支出に係る居宅サービス計画上、医療系サービスが計画されていない対象居宅サービスに係る支出であることから、療養上の世話を受けるために特に依頼したものから受ける療養上の世話の対価とは認められず、また、福祉用具の貸与及び食事代の支払額は、対象居宅サービスにも該当しない日常生活に関する支出と認められ、いずれの支払額も医療費控除の対象とすることすることはできないから、請求人の主張には理由がない。 平成17年6月9日裁決 |
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