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▼ 裁決事例集 No.65 - 181頁
 原処分庁は、請求人が合併による役員改選により、存続会社の専務取締役から、合併後の法人の代表取締役に就任したことは、役員に再任されただけであって、実質的に退職したと同様の事情にあると認められないことから、合併時に役員退職慰労金として支給された一時金は、退職に基因して一時に受ける給与に該当せず、役員としての地位に基づき一時に受ける給与に該当する旨主張する。
 しかしながら、請求人の場合、代表取締役ではあるが、社長や専務等の役職はなく、会長や社長には他の取締役が就任し、社内の決裁権限もなく実質的に一時的かつ形式的な代表取締役就任と認められ、勤務の性質、内容に重大な変動があり、単なる従前の勤務関係の延長とは認められないと判断されることから、所得税基本通達30−2の(3)に定めるその職務の内容又はその地位が激変した者に該当し、専務取締役であった勤続期間に係る役員退職慰労金として支払われた一時金は退職所得に該当すると判断される。
平成15年6月25日裁決




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