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▼ 平成25年3月4日裁決
《要旨》
 原処分庁は、請求人の賃貸している建物等(本件各物件)の管理業務を、請求人が代表取締役を務める法人(本件同族会社)に委任する旨の契約(本件契約)を締結しているが、他に同管理業務を網羅的に委託している法人があるから、同じ業務を本件同族会社に重複して委託する必要性がないこと、また、原処分に係る調査段階では、請求人から、本件同族会社が本件各物件の管理業務を行ったことを示す資料が一切提示されなかったことなどからすれば、本件同族会社による本件各物件の管理業務が日常的に行われていたとはいえないから、請求人が本件各物件の管理委託料として本件同族会社に支払った金額(本件金員)は、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきではない旨主張する。
 しかしながら、証拠によれば、本件同族会社は、請求人から本件各物件の管理業務の委託を受けて、当該各物件に係る消防・防災設備の点検業務並びに給湯設備の修理及び取替工事の発注を行うなどした事実、また、本件同族会社は、当該工事等を委託又は依頼した各業者と連絡を取り合い、工事等の実施内容や状況等の報告を受けていた事実が認められる。さらに、本件同族会社の取締役であった請求人の亡妻が、同社の業務に係る出来事をノートに記載しており、そのノートによれば、同社は随時、上記の各業者等からの連絡等を受け付け、必要な対応等を行っていたものと認められる。以上を総合すれば、本件同族会社は、本件契約に基づき、請求人から委託を受けた本件各物件の管理業務を行っていたと認めるのが相当である。したがって、本件金員は、本件同族会社が行った本件各物件の管理業務の対価であると認められるから、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである。
《参照条文等》
 所得税法第37条
《参考判決・裁決》
 平成23年6月7日裁決(裁決事例集No.83)
 平成23年9月2日裁決(裁決事例集No.84)




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