裁決事例集 No.39 - 369頁 借地権の目的となっている土地(底地)を借地権者以外の者が取得し、地代の授受が行われないこととなった場合において、地代の授受が行われなくなった理由が使用貸借に基づくものでないとして、土地(底地)取得者と借地権者との連署による借地権者の地位に変更がない旨の申出書の提出があったときは、借地権は従来どおり存在するものとし、その借地権者が死亡したときにその相続財産を構成するものとする取扱いは、その申出に即したものであり、当事者の意思を尊重した合理的な取扱いと認められる。 この申出書の提出がされ、その12日後に借地権者たる被相続人の建物が取り壊され、翌年に土地(底地)取得者たる相続人の建物がその土地に新築された場合は、申出書の提出時点で既に建物の取壊しと新築が予定されていたものと認められるから、当事者間では、取壊し後も引続き被相続人の借地権者としての地位に変更はない旨の了解があったと認められる。被相続人は、取壊し後も借地権を留保することを前提として、相続人がその土地に建物を新築することを認めたものとみるのが相当であり、借地権は、相続開始まで被相続人に留保されたものと認められるから、本件借地権が相続財産を構成するものであるとした原処分は相当である。 平成2年3月16日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
税務署長に対し底地の取得者と借地権者との連署による借地権者の地位に変更がない旨の申出書を提出している場合において、底地の取得者である相続人が借地権者である被相続...
...
裁決事例集 No.39 - 369頁
借地権の目的となっている土地(底地)を借地権者以外の者が取得し、地代の授受が行われないこととなった場合において、地代の授受が行われなくなった理由が使用貸借に基...
詳細を表示する
同族会社が所有する建物の敷地について、当該会社の借地権が存すると判断した事例(平成26年4月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・...
...
▼ 令和元年8月19日裁決
《ポイント》
本事例は、同族会社が所有する建物の敷地(本件敷地)について、当該会社が医療法人からの転貸ではなく、直接被相続人らから借りていると認められること、また...
詳細を表示する
相続により取得した各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断した事例(平成27年12月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処...
...
▼ 令和元年9月17日裁決
《ポイント》
本事例は、相続により取得した各土地について、貸借関係における権利金の有無、支払地代の水準、貸主と借主との関係及びその契約の経緯や趣旨を総合的に考慮す...
詳細を表示する
請求人の多忙及び共同相続人の通院加療等を理由に、請求人が行った相続税の申告期限から3年以内に遺産が分割されなかったことについてのやむを得ない事由の承認申請を却下...
...
▼ 裁決事例集 No.73 - 483頁
請求人は、本件特例の適用を受けようとする遺産が未分割であることについて、相続人が関係していた法人と原処分庁との間の訴訟が係属中であること、請求人は、自ら当...
詳細を表示する
所有する宅地とその宅地に隣接する相当の地代を支払って借り受けている借地権は、一体で評価することが相当であるとした事例(平成22年8月相続開始に係る相続税の各更正...
...
▼ 平成26年4月22日裁決
《ポイント》
本事例は、所有する宅地に隣接する宅地を相当の地代を支払い借り受けている場合において、相当の地代を支払って借り受けている借地権の価額は零と評...
詳細を表示する
相当の地代を支払っている場合の借地権は、贈与財産である株式の純資産価額の計算上、株式の発行会社の資産の部に算入するとした事例(平成24年分贈与税の更正処分及び過...
...
▼平成27年3月25日裁決
《ポイント》
本事例は、同族会社に土地を貸し付けている当該同族会社の同族関係者が、当該同族会社の株式を贈与した場合においても、相当地代通達6の注書の適用が...
詳細を表示する
遺産分割がなされていない場合であっても、配偶者が金融機関から払戻しを受けた法定相続分相当の預金は、配偶者にかかる相続額の軽減の適用上、「分割された財産」として更...
...
▼ 裁決事例集 No.59 - 282頁
相続税法第19条の2第2項は、「分割されていない財産」は配偶者の税額軽減の対象に含めない旨規定しており、また、同法第32条6号は、この「分割されていない財...
詳細を表示する
不動産所得の金額の計算上、相続により取得した不動産に係る登記費用は必要経費に算入されないとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.71 - 178頁
請求人は、[1]改正所基通37−5(平成17年6月24日付課個2−23ほかにより一部改正された後の所得税基本通達37−5《固定資産税等の必要経費算入》をい...
詳細を表示する
信託契約中の土地・建物であっても現に事業の用に供されていないものについては、小規模宅地等に該当せず、また、貸家建付地及び貸家に当たらないとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.45 - 336頁
請求人は、本件のように相続開始の時において既に信託契約により土地及び建物の管理運用が受託者に委ねられている場合には、現に事業の用に供されていなくとも、これ...
詳細を表示する