TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼平成30年10月3日裁決
《ポイント》
 本事例は、請求人と子らとの間の使用貸借契約等が請求人の意思に基づいて成立したものとは認められず、その収益は貸主名義(子らの名義)にかかわらず、土地の所有者である請求人に帰属するとしたものである。

《要旨》
 請求人は、請求人が所有し、駐車場(本件各駐車場)として賃貸していた土地(本件各土地)について、請求人とその子らとの間において締結した本件各土地を使用貸借する旨の契約(本件各使用貸借契約)及び本件各土地上のアスファルト舗装等を贈与する旨の契約(本件各贈与契約)により、本件各土地の賃貸人としての地位が請求人からその子らにそれぞれ移転したから、本件各駐車場に係る所得は請求人の子らに帰属する旨主張する。
 しかしながら、本件各使用貸借契約及び本件各贈与契約に係る各契約書(本件各契約書)には、請求人の意思に基づく署名・押印があるものの、本件各使用貸借契約及び本件各贈与契約については、本件各土地の所有権を請求人に留保したまま、その使用収益権原のみを相応の対価を発生させることなく請求人の子らに移転する方法として採られたものと認められること、請求人は、原処分調査において、本件各契約書については一貫して知らない旨申述しており、本件各契約書の作成事実を認識していなかったと認められること、本件各土地を巡る一連の取引は、請求人の子から相続対策の相談を受けていた税理士法人が企図し、本件各契約書の書式も当該税理士法人が作成したものと認められること等からすると、請求人は、本件各契約書の内容を確認することがなかったため、その内容を全く認識していなかった可能性が高い。そうすると、本件各契約書に請求人の意思に基づく署名・押印があるとしても、本件各契約書の内容自体が請求人の意思に基づくものとの推定は働かないから、本件各使用貸借契約及び本件各贈与契約が請求人の意思に基づいて成立したものとは認められない。したがって、本件各駐車場に係る所得は、その貸主名義にかかわらず、いずれも本件各土地の所有者である請求人に帰属するというべきである。


《参照条文等》
 所得税法第12条
 民事訴訟法第228条第4項





類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...10100.html

不動産所得(駐車場の賃料)の帰属について、使用貸借契約等が有効に成立したとは認められず、その収益は貸主名義にかかわらず、土地の所有者である請求人に帰属するとした...


... ▼平成30年10月3日裁決 《ポイント》  本事例は、請求人と子らとの間の使用貸借契約等が請求人の意思に基づいて成立したものとは認められず、その収益は貸主名義(子らの名義)にかかわらず、土地...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...10000.html

請求人が前代表者に支給した金員は給与等の性質を有するから交際費等に該当しないとした事例


... ▼平成24年3月6日裁決 《要旨》  原処分庁は、請求人の前代表者に支給された給与等(本件各金額)について、同人は請求人に対して人的役務の提供を行っておらず、地元対策等を目的とする同人の影響力に対す...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...80100.html

水田預託契約に基づいて農協に預託していた水田の譲渡は事業用資産の譲渡に当たらないとした事例


... 裁決事例集 No.30 - 195頁  請求人は、国の水田利用再編対策実施要綱に基づく水田預託契約により農協に預託した水田について、同農協から請求人自らが委託を受けて、除草、害虫駆除等を行って保全管...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...30000.html

相続税対策スキームの一環として行った出資の売買は、課税庁からその売買価額が著しく低額と認定され買主に対し贈与税の課税処分がされたことから、相続税対策として意味を...


... ▼ 裁決事例集 No.56 - 351頁  請求人は、本件決定処分の基となった出資の売買契約は、税理士等の勧める相続税対策スキームの一環として行われたものであるところ、買主に対して贈与税の課税処分が...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

時価と著しく乖離する売買価額で被相続人と同族会社が交わした不動産売買取引について、原処分庁が相続税の課税価格を相続税法第64条第1項の規定を適用して計算したこと...


... ▼ 裁決事例集 No.67 - 718頁  相続税法第64条第1項の規定は、同族会社を一方の当事者とする取引当事者が経済的動機に基づき自然・合理的に行動したならば通常採ったはずの行為形態を採らず、こ...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

請求人のパナマ子会社は特定外国子会社等であるから、同社の損失を直接請求人の所得金額の計算上合算して申告するのは相当でないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.62 - 293頁  請求人は、法人税法第11条《実質所得者課税の原則》によりパナマ子会社の損失を請求人の所得金額に合算したものであり、また、「船舶所有権等に関する契約公正証...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

農地の売主死亡に係る相続税の課税財産につき、同売買に係る売買残代金請求権(債権)ではなく、農地と認めるのが相当であるとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.65 - 566頁  原処分庁は、土地の売買契約締結後、同契約完了までの間に売主に相続が発生した場合、その相続税の課税財産は売買残代金請求権であり、その価額は債権として評価すべ...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...40000.html

相続財産の一部は被相続人の遺産ではないこと及び被相続人と他の相続人との死因贈与契約は有効であるとした判決は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する「判決」に該...


... ▼ 裁決事例集 No.75 - 1頁  原処分庁は、請求人は本件被相続人の遺産として本件被相続人名義の土地及び本件被相続人名義の預金のうち59,055千円(本件被相続人名義の土地と併せて「本件H名義...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...80100.html

譲渡土地に係る賃貸契約は実態を伴わないものであるから、特定の事業用資産の買換特例が適用できないとして請求人の主張を排斥した事例


... ▼ 裁決事例集 No.51 - 236頁  請求人は、昭和63年9月1日付でS社と締結した譲渡土地に係る賃貸契約に基づく地代収入について平成元年分及び平成2年分の確定申告を行っており、当該土地は租税...

詳細を表示する