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▼ 裁決事例集 No.76 - 573頁
 請求人は、会社分割において、新設分割設立株式会社の株式の売却が予定されている場合には、株式が第三者に譲渡されて始めて事業の譲渡があったものと解すべきであるところ、請求人の株式がBに譲渡された時には、請求人は滞納法人の特殊関係者に該当しないから、請求人が滞納法人の特殊関係者であるとしてされた原処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、会社法第762条に規定する新設分割による権利義務の承継は、国税徴収法第38条の事業の譲渡に該当するものと解されるところ、会社法第764条第1項は、新設分割設立株式会社は、その成立の日に新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する旨規定しているので、国税徴収法第38条にいう事業の譲渡があった時とは、新設分割設立株式会社の成立の日をいうものと解され、また、会社法第764条第4項は、同法第763条に基づいて新設分割計画に新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付する株式の数等に関する事項を定めた場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に新設分割計画の定めに従い、新設分割設立株式会社の株主になる旨規定しているところ、会社法第49条は、株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する旨規定しているのであるから、新設分割設立株式会社の設立登記がされると同時に、新設分割計画の定めに従って、新設分割会社の事業が新設分割株式会社に譲渡され、新設分割会社が新設分割設立株式会社の株主になると解するのが相当である。そして、国税徴収法第38条が適用されるのは、納税者の事業の譲受人が納税者の特殊関係者である場合であるところ、国税徴収法施行令第13条第2項は、特殊関係者であるかどうかの判定は、納税者がその事業を譲渡した時の現況による旨規定している。そうすると、請求人の設立登記と同時に、滞納法人の事業が請求人に譲渡され、滞納法人が請求人の発行済株式のすべてを有する株主になったと認められ、かつ、請求人は滞納法人と同一の場所において同一の事業を営み、滞納法人は滞納国税について徴収不足の状態であると認められ、本件事業譲渡の日は本件滞納国税の法定納期限の1年前の日後であることから、国税徴収法第38条の第二次納税義務の成立要件のすべてを満たしていることになる。なお、納税者が事業譲受人の株式を譲渡したことによって、当該事業譲受人が特殊関係者に該当しないこととなったとしても、そのことによって同条の規定が適用されなくなるものではない。
平成20年10月1日裁決




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