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▼ 裁決事例集 No.75 - 401頁
 原処分庁は、請求人が本件各卒業式において供する昼食費用は、「卒業祝賀パーティー」と称して、出席者に酒食の提供が行われており、請求人が出席者との親睦を深めることなどを目的に酒食のもてなし、すなわち、供応、接待のために行われているものと認められるから、租税特別措置法第61条の4第3項に規定する交際費等に該当する旨主張する。
 しかしながら、請求人は全国に約数千の○○校にて○○教室を営む法人であり、本件各卒業式は、所定の授業課程を修了した者が、請求人における講師の資格を取得して今後受講生を指導する立場になることについての区切りの行事として、免状授与式を中心に行われること、規模の拡大等に伴いホテルを会場とするに至ったこと、請求人の教室が全国に存在し、遠距離から出席する者もいることを考慮して開始時間及び終了時間が設定されていることに併せて、卒業式が長時間に及ぶため、昼食時間帯をまたがって行われていること、及び供与される食事は、社会通念上供与されると認められる通常の昼食の範囲内にあり、酒類は、儀礼的な乾杯のためにのみ供与されていること等の事情を総合的に判断すると、免状を本件卒業生に授与することを目的とした区切りの行事であり、本件各卒業式の中間に出席者に昼食等を供与する行為は、本件各卒業式の式次第を構成する一要素にすぎないというべきであり、本件各卒業式において昼食等を供与する目的は、事業関係者等との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ることにあるとは認められない。
 したがって、本件各卒業式の昼食費用等は、租税特別措置法第61条の4第3項に規定する交際費等には該当しないものと認められるから、本件更正処分についてはその全部を取り消すべきである。
平成20年4月25日裁決