▼ 裁決事例集 No.72 - 463頁 法人税法第69条第1項に規定する外国法人税の意義に照らして、G社が納付したF島の法人所得税(以下「本件法人所得税」という。)について審理したところ、次のからのとおり、本件法人所得税は当該外国法人税に該当せず、G社は租税特別措置法第66条の6第1項に規定する特定外国子会社等に該当すると解される。 G社は、免税を選択すれば納付しなくてもよいこととなるものを、あえてF島当局に26%の税率の適用申請をして納付したということができ、本件法人所得税は極めて任意性の強い支出であり、また、発生の避けられない国際的二重課税の排除を目的とした外国税額控除制度の予定する外国法人税とはいえないものというべきである。 本件法人所得税は、税率を納税者側で選択してF島当局に申請して承認を受けるものであり、同一の所得に対して同一の税額が算出されるものではないため、納税者間の画一性(公平性)を維持するための強行性を維持するものであるとはいえず、我が国の法人税に相当する税の範疇を逸脱したものと認められる。 本件法人所得税の納付の選択には、タックスヘイブン対策税制の適用(課税)回避以外に合理的理由がないと認められ、タックスへイブン対策税制の適用(課税)回避に資する本件法人所得税は我が国の租税本来の概念とは大きく乖離したものといえ、また、当該F島の税制はタックスへイブン対策税制の適用(課税)の回避を支援する国際的にも有害な税制であるとされていることからみても、このようなものを我が国の法人税に相当する税として取り扱うことは、税負担を著しく害するものとして許されないというべきである。 平成18年8月14日裁決 |
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紛争を回避するために支払う金員は当該紛争を回避することにより利益を受ける者が負担すべきであるところ、請求人が支払手数料名目で支払った金員は受注先が紛争を回避する...
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相続人らから本件被相続人への本件各金員の支出は、本件被相続人が相続税対策のために相続人らに贈与を行っていたことなどからすると、相続人らから本件被相続人への贈与で...
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▼ 平成25年3月4日裁決
《要旨》
原処分庁は、請求人らが主張する、本件被相続人が負っていた請求人らを含む相続人らからの借入金債務(本件各借入金債務)は、相続開始日において存在していない...
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不動産所得(駐車場の賃料)の帰属について、使用貸借契約等が有効に成立したとは認められず、その収益は貸主名義にかかわらず、土地の所有者である請求人に帰属するとした...
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▼平成30年10月3日裁決
《ポイント》
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時価と著しく乖離する売買価額で被相続人と同族会社が交わした不動産売買取引について、原処分庁が相続税の課税価格を相続税法第64条第1項の規定を適用して計算したこと...
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譲渡土地は平成元年から耕作放棄されているので、特定の事業用資産の買換特例の適用がないと認定した事例
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▼ 裁決事例集 No.50 - 151頁
請求人は、平成3年1月に譲渡した農地は親子3人の生活を賄うとともに減反政策にも協力してきたことを考慮し、本件買換特例の適用対象資産に該当する旨主張する。
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