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▼ 平成31年4月24日裁決
《ポイント》
 本事例は、原処分庁が採用した推計方法について、請求人が自身の主張する推計方法の方が真実の所得金額に近似するとの主張をしたものの認められず、原処分庁の推計方法は、一応の合理性を有するものと認めたものである。

《要旨》
 請求人は、昼営業に係る注文伝票1枚当たりの単価(昼営業伝票単価)に注文伝票の購入枚数から客の注文等を記載する以外に使用した注文伝票の枚数(伝票ロス分)を控除した枚数を乗じて売上金額を算出するという原処分庁が採用した推計方法には合理性がない旨主張する。
 しかしながら、昼営業伝票単価を推計の基礎数値に用いることは、請求人の事業専従者が主に昼営業の売上げを計上しないものとして昼営業に係る注文伝票の一部をレジ入力せず破棄していたこと及び昼営業に係る来客者数が夜営業に係る来客者数を上回る請求人の事業の実態を反映するものであること、昼営業伝票単価及び注文伝票の購入枚数は、いずれも当該事業における正常な業務の遂行のために作成された資料から正確に把握されること、請求人の客への飲食物の提供方法である店内飲食、持帰り及び弁当販売の3つの形態のいずれについても必ず注文伝票が作成されており、注文伝票の使用枚数と売上金額とは高い相関関係があると認められること等から、原処分庁が採用した推計方法は、一応の合理性を有する。
 また、請求人は、原処分庁が採用した推計方法よりも、おしぼりのレンタル本数及び弁当箱の購入個数から客に提供する以外の用途に使用する数量を控除した数量に、客単価を乗じて売上金額を算出するという推計方法の方が真実の所得金額に近似する旨主張する。
 しかしながら、請求人の主張する推計方法は、夜営業に係る来客者数よりも昼営業に係る来客者数の方が多いという請求人の事業の実態を反映するものではなく、おしぼりのレンタル本数及び弁当箱の購入数量について、客に提供する以外の用途に使用する数量を認定するに足る具体的な証拠はなく見積りにより算出していることに加え、おしぼりの調理使用分について使用方法が変更されていることからすると、数値の正確性・連続性に欠けるおしぼりのレンタル本数及び弁当箱の購入数量を推計の基礎とすることはできないから、請求人の主張する推計方法の方が真実の所得金額に近似するということはできない。
 なお、審判所の伝票ロス分の認定等に伴い、原処分の一部を取り消した。



《参照条文等》
 所得税法第156条


《参考判決・裁決》
 名古屋地裁平成16年11月25日判決(税資254号順号9833)




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