▼ 平成22年10月22日裁決 原処分庁は、異議決定を取り消す旨の本件高裁判決は、不服申立期間の起算日の認定に係る判断であり、本件決定処分等自体の効力を認定するための判断ではないから、本件決定処分等自体の効力について、原処分庁を拘束するものではない旨、請求人がEを納税管理人に選任し、同人を納税管理人として認識していた旨、本件決定処分等に係る通知書(本件通知書)の送達に瑕疵があるにしても、個人情報保護法に基づく本件決定処分等に係る決議書の開示請求により、請求人がその決議書の写しを入手した時点において、送達の趣旨、目的である納税者に処分の内容を了知させることはできており、当該瑕疵は治癒した旨主張する。 しかしながら、取消判決の拘束力の及ぶ範囲は、判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたるものと解されることから、本件高裁判決により、Eを請求人の納税管理人とみることはできず、請求人がEを納税管理人として認識していたと認められないという事実認定に拘束力が生じ、この事実認定を前提とするほかなく、社会通念上、Eの住所地に本件通知書が送達されることにより請求人が本件決定処分等の存在を了知し得たとは認められないから、平成18年9月22日にEの住所地に本件通知書が送達されたとしても、これをもって本件通知書が適法に請求人に送達されたということはできない。 したがって、原処分庁による上記の主張については、本件決定処分等自体の効力を直接的に拘束するものではないとしても、行政処分の効力発生要件に関する事実認定については関係行政庁を拘束するものであること、上記の主張については、本件高裁判決は、本件通知書送達当時において、請求人がEを納税管理人として認識していたと認めることもできない旨判断しているのであり、本件高裁判決の拘束力に抵触するものであることから、いずれも採用することができない。また、上記の主張については、送達とは、国税に関する法律の規定に基づいて税務署長が発する書類の到達に関する方法であり、その告知そのものがなされていないときに、単に納税者が個人情報保護法に基づく権利行使により、処分の内容を了知したからといって、これによって告知としての送達の瑕疵が治癒したということもできないことから、その主張には理由がない。 《参照条文等》 国税通則法第12条、第28条、第32条 行政事件訴訟法33条 |
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