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▼裁決事例集 No.79
 請求人は、差押えがされれば、いくら放置しても時効が進行しないというのであれば、甚だしく不当な結果になる上、差押権者による一方的な意思でなされる差押えは、比較的短期間で完了するのであるから、差押えによる時効中断の事由が終了した時を差押処分の手続自体の終了時である差押登記がされた時と解すべきであると主張する。
 しかしながら、国税の徴収権の時効は、国税通則法第73条第1項各号掲記の事由又は民法第147条各号掲記の事由があった時に中断し、国税通則法第73条第1項各号に定める期間を経過した時又は時効中断の事由が終了した時から更に進行することになるところ、差押えにより国税の徴収権の時効が中断された場合、当該差押処分の効力が存続している間は、時効中断事由としての差押えが継続しているのであるから、差押えによる国税の徴収権の時効の「中断の事由が終了した時」とは、当該差押処分に係る財産の換価手続が終了した時又は差押えが解除された時をいうものと解するのが相当である。また、差押財産の換価の時期については、原処分庁の合理的な裁量にゆだねられていると解される上、大量かつ反復的に生じる滞納国税の徴収に当たり、画一的に差押え及び換価を実施することが必ずしも望ましいとはいえないこと、差押財産が有する様々な要因等から、差押財産を直ちに換価することが困難な場合もあること、差押財産を公売に付しても公売が成立しない場合もあること、滞納者は財産の差押えを受けたことによって国税の納付が禁止されるわけではなく、財産の差押えを受けた場合であっても早期に完納することが求められることからすれば、差押処分の効力が存続している間は時効が進行しないことをもって、甚だしく不当な結果を滞納者に招来するものであるということはできず、これを根拠に差押えによる時効中断の事由が終了した時を差押処分の手続自体の終了時である差押登記がされた時と解する請求人の主張は採用できない。
《参照条文等》
国税通則法第72条、第73条第1項
民法第147条、第157条第1項
平成22年2月22日裁決




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