▼ 裁決事例集 No.64 - 119頁 請求人は、滞納処分による債権の差押えに対して、[1]滞納者に対して被差押債権を超える債権を有しているので相殺すべきであること、[2]差押えの前に本件債権を元従業員に譲渡したとする債権譲渡通知書が届き、当該債権譲渡は本件差押処分に先行するから滞納者に対する債務が存在しない旨主張して差押処分の取消しを請求する。 しかしながら、差押処分等の国税に関する処分に対し、審査請求ができる者は、その処分の取消しを求めることに法律上の利益を有する者に限られると解されている。本件差押処分によって、国は滞納者に代わって債権者の立場に立つにとどまり、国と第三債務者たる請求人との関係は、私法上の債権者、債務者という関係にすぎないことになる。 そうすると、請求人が任意に当該債務を履行しない場合は、国は、民事訴訟法に定める手続により被差押債権に係る債務名義を得たうえで、強制執行の手続を踏むほかはなく、請求人は、国が被差押債権取立てのための訴えを提起したときには、当該債務の不存在等差押え前から滞納者に対して有する一切の抗弁を主張して対抗することができるのであるから、債権者が滞納者から国に交代したことに伴い、法律上の不利益を受けることはない。 したがって、被差押債権に係る債務が存在しないことを理由として本件差押処分の取消しを求める本件審査請求は、法律上の利益を欠いた不適法なものである。 平成14年12月4日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
被差押債権の第三債務者は、当該差押処分に対して審査請求ができる法律上の利益を有しないとして審査請求を却下した事例
...
▼ 裁決事例集 No.64 - 119頁
請求人は、滞納処分による債権の差押えに対して、[1]滞納者に対して被差押債権を超える債権を有しているので相殺すべきであること、[2]差押えの前に本件債権を...
詳細を表示する
相続税法第34条の連帯納付責任に基づく督促処分が適法であるとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.66 - 289頁
請求人は、本来の納税義務者Aに対する延納許可から延納許可取消しまでの間に、原処分庁が適切な徴収手続をとらず、連帯納付義務者である請求人に多大な本税、利子...
詳細を表示する
相続税法第34条の連帯納付義務者から金銭の贈与を受けた者に対する国税徴収法第39条の第二次納税義務の告知処分が適法であるとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.65 - 1024頁
国税徴収法第39条と詐害行為取消しとの関係
国税徴収法第39条の第二次納税義務は、滞納者の悪意を要件としていないものと解されていることに加えて、無償...
詳細を表示する
酒類を譲渡担保の目的財産とする譲渡担保設定契約が無効又は課税庁に対して相対的に無効ということはできないから、譲渡担保財産となっていた酒類が滞納者に帰属するとして...
...
▼ 裁決事例集 No.77 - 552頁
酒税法は、酒税の適正かつ確実な賦課徴収を図る観点から、酒類の製造と業として行う酒類の販売について免許を必要とする旨定めたものであって、酒類の製造免許又は...
詳細を表示する
遺産分割協議の無効確認を求めて訴訟中であることを理由に、当該遺産分割に基づく相続税の滞納のためにした請求人の固有財産に対する差押処分の取消しを求めることはできな...
...
▼ 裁決事例集 No.52 - 163頁
請求人が、本件相続税申告の基礎となった遺産分割協議の無効確認を求めて訴訟を提起していることは認められるが、当該遺産分割に基づきされた相続税の申告と本件差...
詳細を表示する
中小企業を倒産させないことが国の方針であるとしても、租税の徴収手続において、中小企業の倒産を防止するためにその手続を制限する法令上の定めがない以上、これを裁量判...
...
▼ 裁決事例集 No.77 - 593頁
請求人は、本件差押処分は、中小企業を倒産させないとする国の方針と異なり不当な処分であると主張する。
しかしながら、中小企業を倒産させないことが国の方針で...
詳細を表示する
従業員名義で経営していた店舗に係る経営上の行為の状況、利益の享受状況及び出資の状況等から当該店舗の事業に係る所得の帰属先は請求人であると認定した事例(平成18年...
...
▼平成27年3月31日裁決
《要旨》
請求人は、風俗店4店舗(本件各店舗)の経営者はP11であり、本件各店舗の事業に係る所得の帰属先は請求人ではない旨主張する。
しかしながら、...
詳細を表示する
使用人等に対する食事の支給による経済的利益の供与について、「使用人が購入して支給する食事」として評価するのが相当であるとした事例(平成20年1月〜平成22年10...
...
▼ 平成26年5月13日裁決
《ポイント》
本事例は、請求人が使用人等に提供した食事については、請求人が給食委託業者に支払った委託料等を加算したところにより評価すべきであるとして請求...
詳細を表示する
審査請求人が国内に恒久的施設を有しない非居住者期間に国内の金融商品取引業者との間で行った店頭外国為替証拠金取引に係る所得は国内源泉所得に該当するとした事例(平成...
...
▼ 平成31年3月25日裁決
《ポイント》
本事例は、審査請求人の店頭外国為替証拠金取引における未決済取引に係る契約上の地位は、所得税法第161条第1号に規定する資産に該当し、当該取引によ...
詳細を表示する