裁決事例集 No.18 - 80頁 請求人は、製品のすべてを請求人に納入している子会社5社から、従来、売上金額に一定の割合を乗じた額の経営指導料及び技術指導料を収受しており、また、これら子会社に金銭貸付けを行った場合には、契約に基づき一定の率による利子を収受していたところ、これら子会社のうちのA社及びB社の経営状態が悪化し、多額の欠損金額を生ずるに至ったため、既に確定的に発生していたA社及びB社に対する経営指導料の額及び技術指導料の額並びに利息の額の支払を免除した。経済的利益の供与であっても、その経済的利益の供与が合理的な理由に基づくものである場合には寄付金に該当しないと考えるべきことは請求人の主張のとおりであるが、A社及びB社の経営状態が債権者にとってその有する債権につき回収不能が生じたと認定し得るほど悪化しているとは認められず、また、親子会社が全体として統一した経営意思により経営されているいわゆる運命共同体的関係にあるとしても、そのことだけを理由として税務上親子会社個々の所得金額の計算について特別な観点から一般と異なる取扱いをすることは許されていないのであり、さらに、請求人が、本件各免除の代償として、A社及びB社から役務の提供を受け、又は履行すべき取引上の義務を免れるといった何らかの具体的反対給付を得るに至った事実が認められないのであるから、本件各免除によるA社及びB社に対する経済的利益の供与は、寄付金に該当するものといわざるを得ない。 昭和54年6月28日裁決 |
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