▼ 平成30年6月15日裁決 《要旨》 請求人は、不動産に係る中途解約不能で、中途解約した場合に残りの賃借期間の賃料を支払うことになっている長期の賃料減額期間のある賃借契約(本件賃借契約)の場合、その契約時に契約期間全体にわたる賃料総額の支払をすべき義務が確定していると解すべきであり、契約期間における賃料総額を当該契約期間で均等あん分した月額賃料相当額(本件あん分計算方式)に基づいて算出した金額は、合理的に算定された金額であり、その金額が損金の額に算入できる旨主張し、また中途解約禁止条項のある長期の賃料減額期間のある転貸契約(本件転貸契約)の場合も、本件あん分計算方式に基づいて算出した金額が益金の額に算入される旨主張する。 しかしながら、本件賃借契約及び本件転貸契約における契約当事者間では、賃借物件及び転貸物件に係る賃料減額期間の賃料の減額という法律効果が本件賃借契約及び本件転貸契約(法律行為)に基づき成立し、当該法律効果を変更又は消滅させる他の法律行為があるとする証拠も認められないことからすれば、当該賃借物件に係る賃料として事業年度終了の日までに債務が確定した金額は、本件賃借契約の特約条項により減額された月額賃料に基づいて算出された金額であり、当該金額が損金の額に算入される。また、当該転貸物件に係る賃料として事業年度終了の日までに収入すべき権利として確定しているのは、本件転貸契約の特約条項により減額された月額賃料に基づいて算出された金額であり、当該金額が益金の額に算入される。 《参照条文等》 法人税法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第22条第2項及び第3項 |
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▼ 平成30年6月15日裁決
《要旨》
請求人は、不動産に係る中途解約不能で、中途解約した場合に残りの賃借期間の賃料を支払うことになっている長期の賃料減額期間のある賃借契約(本件賃借契約)の場合...
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▼平成30年8月23日裁決
《ポイント》
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