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▼ 裁決事例集 No.69 - 217頁
 請求人は、更正処分の公定力を前提とする限り、請求人が所得税還付請求権を「相続により取得した」ものではなく、課税処分取消訴訟の判決が確定した時に初めて所得税還付請求権が確定したものであり、そのときに所得税還付請求権を請求人自らの財産権として取得したものであるから、その権利が発生していない相続開始時に存在していたとして、還付請求権が相続財産を構成することはあり得ない旨主張する。また、仮に、所得税還付請求権が「訴訟中の権利」に該当するとしても、その評価は、財産評価基本津通達210によることとなり、課税処分取消訴訟の相手方は、更正処分を行った原処分庁であり、原処分庁は、当該訴訟の対象である所得税の更正処分等を適法として長年にわたり争い、裁決でも適法として判断しているのであるから、所得税等の納付額に相当する価額が、係争中の所得税還付請求権の時価であると評価することは不可能である旨主張する。
 しかしながら、被相続人は、課税処分取消訴訟を提起し、その訴訟を通じて過納金の還付を受けるべき旨を主張していたと認められるところ、訴訟継続中に被相続人が死亡したため、相続人である請求人が被相続人から相続により訴訟上の地位を承継したものであり、この場合の訴訟上の地位とは、一身専属的なものではなく、財産的性格をもつもの、すなわち、過納金の還付を求める権利であると解されるから、過納金の還付を求める権利は、請求人が被相続人から相続により取得した財産であるということができる。また、[1]課税処分取消訴訟は、被相続人等に係る所得税の更正処分等取消訴訟であり、この訴訟を通じて過納金の還付を求めていること、[2]課税処分取消訴訟に係る判決の確定により更正処分等の全部が取り消され、具体的に還付金の金額が確定していることからすれば、過納金の還付を求める権利の価額は、還付金相当額と同額として評価するのが相当である。
 したがって、これらの点に関する請求人の主張は採用することができない。
平成17年6月20日裁決




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