▼ 裁決事例集 No.64 - 445頁 請求人らは、L企業組合の脱退時の払戻金額は払込済出資金額50円であり、また、組合加入時の払込金額も1口当たり50円であるから、この金額が相続税法第22条に規定する時価、すなわち客観的交換価値に相当するので、L企業組合の出資の価額は、1口当たり50円で評価すべきである旨主張する。 一般に、市場を通じて不特定多数の当事者間における自由な取引が形成されている場合には、これを時価とするのが相当であるが、本件出資のように取引相場のない資産にあっては、市場価格が形成されていないから、その時価を把握することは困難である。したがって、合理的と考えられる評価方法によってその時価を算定するほかなく、その評価方法が合理性を有する限り、それによって得られた評価額をもって「時価」を推定することに妨げはないというべきであると解されているところ、財産評価基本通達に定められた評価方法が合理的である限り、その評価方法によって評価した財産の価額は、特段の事情のない限り、相続税課税における財産の時価と認めるのが相当である。 企業組合の出資の価額は、財産評価基本通達196の定めにより純資産価額に基づいて評価することとされており、この評価方法は企業組合の実態に照らして合理性を有するものと認められる。 そして、請求人らは、当該出資の時価を立証するものとして、L企業組合定款第13条《脱退者の持分の払戻し》の定めをいうにすぎず、これによってはその立証があったと認めるには足りない(評価通達に定める評価方法によりえない特別な事情はない)から、財産評価基本通達196の定めに基づき評価するのが相当である。 平成14年12月16日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
更正処分の理由の提示について不備がないと判断した事例(平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成27年6月1日裁決)
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▼ 平成27年6月1日裁決
《要旨》
請求人は、所得税の更正処分に係る通知書(本件更正通知書)には、請求人が匿名組合契約の出資者である外国法人(本件外国法人)との間で締結した参加利益契約(本件参加...
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類似業種比準方式における1株当たりの利益金額の計算上、匿名組合契約に係る分配金は非経常的な利益ではないから法人税の課税所得金額から控除すべきではないとした事例
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▼ 裁決事例集 No.75 - 594頁
類似業種比準方式における、匿名組合員である評価会社の「1株当たりの年利益金額」については、評価通達が、「1株当たりの年利益金額」の計算を法人税の課税所得金...
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協業組合の出資の評価については、評価基本通達179を適用して評価することが相当とした事例
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▼ 裁決事例集 No.63 - 554頁
協業組合の出資の評価方式について、請求人は、払込済出資価額に相当する金額又は配当還元方式により評価すべきである旨主張し、原処分庁は、財産評価基本通達196...
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財産評価基本通達196に定める評価方法は合理性を有すると認められるので、企業組合の出資の価額は同通達に定める評価方法に基づき評価するのが相当であるとした事例
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▼ 裁決事例集 No.64 - 445頁
請求人らは、L企業組合の脱退時の払戻金額は払込済出資金額50円であり、また、組合加入時の払込金額も1口当たり50円であるから、この金額が相続税法第22条に...
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投資事業有限責任組合の法人組合員が純額方式により組合損益を計上している場合において、組合損益の計算上費用とされた株式の評価損は法人組合員においては損金の額に算入...
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▼裁決事例集 No.79
請求人は、投資事業有限責任組合は構成員課税となっており、当該組合が有する資産、負債等については出資割合に応じて各組合員に直接帰属することになるから、その帰属損益額の計算を...
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人格のない社団に対する出資の評価については、企業組合等の出資の評価に準じて純資産価額方式によるのが相当であり、その場合、評価差額に対する法人税等相当額の控除を行...
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▼ 裁決事例集 No.58 - 241頁
請求人らは、本件出資の評価について売買実例価額により評価すべきである旨主張するが、その価額は、譲渡人及び譲受人の双方が共に本件組合の組合員という限定された...
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LPSから分配される収益金について、配当所得、不動産所得のいずれにも該当せず、雑所得に該当するとした事例
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▼ 平成24年7月2日裁決
《ポイント》
本事例は、LPSから分配される収益金(LPS収益金)に係る所得について、LPSが、我が国の租税法上の法人に該当し、出資者の地位に基づいて分配を受ける剰余金...
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新株予約権の行使に伴い生じた経済的利益は雑所得に該当し、また、新株予約権の取得についての情報提供者に支出した手数料は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるとし...
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▼ 裁決事例集 No.76 - 136頁
請求人は、民法上の組合を通じて取得した新株予約権の行使による経済的利益は一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、新株予約権を有利発行した法人は、その新...
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a国で出資・設立したリミテッド・パートナーシップ(LPS)を介して請求人が得た損益は、当該LPSが利益の処分として行ったものではないから配当所得に当たらず、また...
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▼ 裁決事例集 No.71 - 118頁
請求人は、a国のリミテッド・パートナーシップ(以下「本件LPS」という。)を介して得た損益について、本件LPSは民法上の組合に類似するものであってそれが行...
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