▼裁決事例集 No.79 請求人は、共同相続人らが共同で提出した相続税の申告を修正等する場合には、共同相続人らの間で協議の上、共同で修正申告又は更正の請求をすることが社会通念に合致するもので、請求人の同意がないままに先行してなされた他の共同相続人に対する相続税の還付手続は誤りであり、請求人に対する更正処分も誤りである旨主張する。 しかしながら、本件では、遺産が未分割のまま申告が行われた後、遺産分割調停の成立により共同相続人らの相続税額に増減が生じたため、他の共同相続人が更正の請求をし、原処分庁は、同人に対する減額更正処分をした後に、相続税法第35条第3項第1号の規定に基づき、職権で請求人に対する更正処分をしたのであり、その過程に何ら違法な点は見当たらない。相続税法は、同法第27条第4項で、共同で申告することができる旨を定めているに止まり、共同で修正申告又は更正の請求をしなければならない旨の規定はなく、また、同法第35条第3項第1号は、「更正の請求に基づき更正をした場合において」と規定し、減額更正処分が先行することを予定しているから、請求人に対する更正処分に先立ち、請求人の同意を得ずに他の共同相続人による更正の請求及び同更正の請求に対する原処分庁による減額更正処分がなされたとしても何ら違法ではない。 《参照条文等》 相続税法第27条、第31条、第32条、第35条 平成22年1月5日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
請求人ほか3名が相続した不動産の共有持分から生ずる賃料収入について、当該賃料収入の全額が請求人に帰属するものである旨の原処分庁の主張を排斥した事例(平成18年分...
...
▼平成27年6月19日
《要旨》
原処分庁は、請求人ほか3名の相続人らが相続した不動産の共有持分から生ずる賃料収入について、請求人が他の相続人ら3名に渡しておらず、また、その全額を請求人の不...
詳細を表示する
相続財産の一部は被相続人の遺産ではないこと及び被相続人と他の相続人との死因贈与契約は有効であるとした判決は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する「判決」に該...
...
▼ 裁決事例集 No.75 - 1頁
原処分庁は、請求人は本件被相続人の遺産として本件被相続人名義の土地及び本件被相続人名義の預金のうち59,055千円(本件被相続人名義の土地と併せて「本件H名義...
詳細を表示する
請求人名義で支払を受けた火災保険金の受取人は、請求人ではなく、代表者ら個人であるとした事例
...
裁決事例集 No.27 - 157頁
原処分庁が請求人の益金であると認定した本件建物の焼失による本件保険金については、[1]本件建物を請求人が売買・贈与等により取得したとする証拠がなく、請求人の資...
詳細を表示する
二次相続に係る本件更正処分は、一次相続に係る裁決における取消し理由と同じ理由で行なわれたものではなく、また、一次相続に係る処分とは別個の二次相続に係る処分である...
...
▼ 裁決事例集 No.67 - 115頁
国税通則法第102条第1項に規定する裁決の拘束力とは、取消し又は変更の裁決の実効性を保障するために認められるものであるから、その効力は、裁決の主文及び主文...
詳細を表示する
請求人以外の共同相続人が行った相続財産の隠ぺい行為に基づく相続税の過少申告について、請求人に重加算税を賦課決定することができると判断した事例
...
▼ 裁決事例集 No.67 - 91頁
納税者が、第三者に申告手続を委任した場合、第三者が同委任に基づいて行った行為の効果は納税者に帰属するものであり、自己責任の原則からしても、第三者を利用するこ...
詳細を表示する
本件相続税の申告に際し、当初から財産の過少に申告することを意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をしており、重加算税の賦課要件を満たすとした事例...
...
▼ 裁決事例集 No.69 - 46頁
請求人は、[1]被相続人の預貯金の通帳、印鑑等の保管場所及びその金額を請求人の妻から聞いて知っていたこと、[2]被相続人の死亡の2日前に、請求人の妻に現金出...
詳細を表示する
被相続人の共同相続人の1人に対する「相続させる旨」の遺言には、同人に、請求人に対し5,000万円の代償金の支払債務を負担させる旨の記載があり、請求人は、当該遺言...
...
▼ 裁決事例集 No.75 - 78頁
和解調書には、他の共同相続人の一人が請求人に対して遺留分の価額弁償金として本件金員を支払う旨及び請求人が本件金員を受領する一方、その他の請求を放棄する旨記載...
詳細を表示する
請求人は、法定申告期限内に相続財産の把握に努めていれば、その全容を把握できたと認められるところ、そのために必要な調査を尽くしていないから、相続財産の額が基礎控除...
...
▼ 裁決事例集 No.67 - 33頁
請求人は、本件相続税の申告書を法定申告期限までに提出できなかったのは、他の共同相続人が相続財産の内容を明らかにせず、遺産を調査する術がなかった事情によるもの...
詳細を表示する
物上保証人である請求人が担保提供に承諾したことにつき、動機の錯誤により無効である旨の主張を排斥した事例
...
▼ 裁決事例集 No.73 - 32頁
請求人は、請求人自身も共同相続人の一人であると信じたことにより他の相続人である滞納者の相続税の延納につき請求人所有不動産を担保提供することに承諾する意思表示...
詳細を表示する