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▼平成24年3月6日裁決
《ポイント》
 この事例は、建物の台帳価格の決定後に既存建物の一部を利用した増築工事により当該建物の床面積が増加した場合の当該増築部分の登録免許税の課税標準たる価額は、登記実務上、法務局長が定める認定基準表により算定することになるが、当該認定基準表は平均的な新築建物の価額を基準として定められていることから、当該認定基準表により難いときには、当該増築部分の工事費用が通常の取引における客観的な価額であると認められれば、当該増築工事費用の額を基礎とするのが最適であるが、当該増築工事費用の額が不明であるときには、固定資産税法上の固定資産評価基準を基礎として算定するのが相当であると判断したものである。
《要旨》
 原処分庁は、平成22年6月における所有権移転登記の目的となった建物(本件建物)は、既存建物(本件旧建物)に事務所部分(本件事務所部分)を増築したものであって、その増築は、固定資産課税台帳(課税台帳)に本件旧建物の同年1月1日現在における価額が登録された後になされているから、本件建物の登録免許税の課税標準たる価額は、本件旧建物については、課税台帳に登録された同年1月1日現在の本件旧建物の価格(本件旧建物台帳価格)を基礎として計算した金額とし、本件事務所部分については、法務局長が定めた「登録免許税課税標準額認定基準」(本件通達)の新築建物課税標準額認定基準表(本件認定基準表)により算定した価額として、これらを合計した価額とするのが相当である旨主張する。
 しかしながら、登記の目的となる建物について登録免許税法施行令附則第4項に規定する「特別の事情」が認められる場合には、本件通達が定めた本件認定基準表を一律に適用して登記官がその価額を認定することは、簡易迅速な税額の確定が求められる登録免許税において課税の公平を担保するという観点から相当であると認められるものの、本件認定基準表により難い場合には、これによらないことができるものと解するのが相当であり、本件認定基準表は法務局長が平均的な新築建物の価額の基準として定めたものであるのに対し、本件事務所部分は既存の物置の一部を使用するなどして増築されたものであることからすると、本件事務所部分については、本件認定基準表に定める方法により難い場合に該当すると認められるから、他の方法により求めた登記の時の価額を課税標準の額とするのが相当である。そして、その価額は、市役所の職員が本件事務所部分を実地調査して固定資産評価基準に基づき算定した増築時点の再建築費評点を基礎として算出した価額(本件事務所部分価額)とするのが相当である。したがって、本件建物の登録免許税の課税標準たる価額は、本件旧建物台帳価格を基礎として計算した金額と本件事務所部分価額とを合計した金額とするのが相当である。
《参照条文等》
 登録免許税法第10条、附則第7条
 登録免許税法施行令附則第3項、第4項
《参考判決・裁決》
 最高裁平成15年7月18日第二小法廷判決(判タ1139号62頁)
 平成23年6月30日裁決(裁決事例集No.83)




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