▼ 裁決事例集 No.74 - 465頁 請求人は、本件営業譲渡日に滞納法人の個人株主Bらが受領した金員は、滞納法人の株式の譲渡代金であるとともに、同日は滞納法人の解散決議前であるから、当該金員は国税徴収法第34条の「残余財産の分配」によるものではないと主張する。 しかしながら、本件滞納法人は、本件営業譲渡日に、本件滞納法人の代表者である請求人とその親族が全株式を所有する本件滞納法人の筆頭株主であるC社に対する債務を除き、資産・負債のすべてをD社に譲渡するとともに、従業員もD社に引き継いでいること、D社は、当該金員を営業譲渡代金の一部と認識し、その旨の経理をしていること、本件営業譲渡日において本件滞納法人は債務超過と認められ、その株式に経済的価値はなく、D社が当該株式を取得する経済的合理性も必要性も認められないこと、本件滞納法人の株式の譲渡に必要な取締役会の承認がなされていないこと、請求人は本件営業譲渡に際し、Bら個人株主を含む従業員に迷惑を掛けたくないと考えていたこと、Bら個人株主が受領した金員は、本件滞納法人への出資相当額であること、本件滞納法人は、本件営業譲渡日から解散決議に至るまで何ら資産を有せず、事業活動も行っていないことからすると、本件営業譲渡は解散を前提として行われたものと認められ、Bら個人株主が受領した金員は、株式譲渡代金ではなく、本件営業譲渡の対価の一部を分配したものと認められるから、当該金員の交付は、国税徴収法第34条に規定する「法人が解散した場合における残余財産の分配」に当たり、請求人はその価額を限度として同条の第二次納税義務を負うこととなる。 平成19年12月21日裁決 |
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営業譲渡代金の一部から株式譲渡代金名下で個人株主に金員を交付したことが、法人の解散を前提とする残余財産の分配に当たるとした事例
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合併の際、被合併法人から上場株式を著しく低い価額で受入れ、作為的に評価差額を創り出した場合には、純資産価額方式による取引相場のない株式の評価上、その創り出された...
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解散が見込まれている関連会社に増資払込みを行い、同社の清算結了により当該払込金を投資損失として損金の額に算入した行為は、純経済人として不自然・不合理な行為であり...
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法人がその有する債権を放棄し又は他人の債務を負担したような場合には、それは一般的には経済的な利益の無償の供与に当たることとなるから、これらの行為により生じ...
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新株権利落ちの旧株式を譲渡した場合には新株割当て基準日において株式の1株当たり取得価額の付替えを要するとした事例
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水産物地方卸売市場に出荷し歩戻しを受ける特定荷主に係る営業権の譲受け対価を事後に修正し追加払した場合、当該金員は営業権の対価とは認められず、寄付金に当たるとした...
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香港子会社による第三者株式割当てにより、請求人が所有する当該香港子会社の株式の資産価値の一部が無償で他社に移転したことは、当該第三者株式割当てが請求人の株主と割...
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