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▼ 令和元年7月2日裁決
《ポイント》
 本事例は、売却決定価額の低廉性の判断においては、売却決定価額と時価(基準価額)を比較するのが相当であり、見積価額の低廉性の主張に対しても、結果として売却決定価額が著しく低廉でない限り、低廉による違法の認定はないと判断したものである。

《要旨》
 請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)の時価については、少なくとも不動産販売会社による簡易査定価格を下回らないから、本件土地の見積価額(本件見積価額)は時価より著しく低廉であり、時価より著しく低廉な見積価額で公売された場合の売却価額は、見積価額が時価相当額であった場合と比べて当然に低廉となる旨主張する。

 しかしながら、公売財産の見積価額は、その財産の時価に相当する基準価額を求めた上、公売の特殊性を考慮し、基準価額からそのおおむね30%程度の範囲内の公売特殊性減価を行い算定することから、時価を相当に下回るのが通常であるところ、公売財産の見積価額が時価より著しく低廉であり、その結果、売却価額も時価より著しく低廉となった場合には、見積価額の決定が最低売却価額の保障をすることにあるという趣旨に反することとなるから、この場合の売却決定処分は違法になると解すべきである。本件では、本件土地の基準価額に公売特殊性減価(減価率20%)をした額を本件見積価額として決定し、本件土地の売却価額は、本件土地の時価と認められる本件土地の基準価額の約85%に相当する価額であったことから、時価より著しく低廉でないと認められる。


《参照条文等》
 国税徴収法第98条
 国税徴収法第113条第1項







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