▼ 裁決事例集 No.75 - 288頁 差金等決済に係る先物取引による雑所得等については、平成17年度の税制改正において、租税特別措置法第41条の14及び同法第41条の15の規定が改正され、先物取引に係る雑所得等の分離課税の適用及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除の適用について、その対象に、平成17年7月1日以後に行う取引所金融先物取引の差金等決済に係る雑所得等が追加されている。 請求人が行ったFX取引は、金融商品取引業者との間で相対で行った金融先物取引法第2条第4項に規定する「店頭金融先物取引」であり、金融先物取引所の開設する金融先物市場において行う「取引所金融先物取引」には該当しないのであるから、租税特別措置法第41条の14第1項の規定を適用する余地のないことは、法文に照らし明らかであり、請求人の各年分のFX取引に係る所得は、他の所得と区分して課税されるものではなく、他の所得と総合して課税されることとなるものである。 また、租税特別措置法第41条の15第1項に規定する先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除については、同法第41条の14第1項各号に掲げる先物取引の差金等決済に係る損失に限定してその適用を認めているところ、上記のとおり、請求人の行ったFX取引は取引所金融先物取引には該当しないことから、同法第41条の15第1項の規定は適用されない。 さらに、金融先物取引に係る損失の繰越控除は、平成17年7月1日以後に行う取引所金融先物取引の差金等決済に係る損失に限られるところ、請求人の平成14年分ないし平成16年分に生じたFX取引に係る損失は、平成17年7月1日以後に行われた取引に係る損失ではないことから、FX取引が店頭金融先物取引に該当するか取引所金融先物取引に該当するかにかかわらず租税特別措置法第41条の15第1項の規定を適用する余地はなく当該損失の繰越控除は認められない。 平成20年2月28日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
FX取引のうち店頭金融先物取引に係る所得については、租税特別措置法に規定する分離課税及び損失の繰越控除が認められないとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.75 - 288頁
差金等決済に係る先物取引による雑所得等については、平成17年度の税制改正において、租税特別措置法第41条の14及び同法第41条の15の規定が改正され、先物...
詳細を表示する
金銭貸付けに係る所得が事業所得に該当するとの請求人の主張を認めず、当該所得は雑所得に当たると認定した事例
...
▼ 裁決事例集 No.60 - 185頁
金銭貸付けに係る所得について、請求人は、貸金業者として登録しており、営業チラシの配布により広く一般の顧客を求めるとともに、人的・物的設備を備えて事業として...
詳細を表示する
値下がりしている保有株式を売却すると同時に、同一銘柄の株式を同株数、同価額で購入する取引によって生じた売却損について、これを租税回避行為として否認することはでき...
...
裁決事例集 No.39 - 106頁
値下がりしている保有株式を売却すると同時に、同一銘柄の株式を同株数、同価額で購入する取引によって生じた売却損について、原処分庁は、かかる取引は手数料等の実損を...
詳細を表示する
有価証券の売買及び商品先物取引により生じた損失を雑所得を生ずべき業務から生じた損失の額と認定した原処分を適法とした事例
...
裁決事例集 No.38 - 36頁
一定の具体的取引行為が「事業所得を生ずべき事業」に該当するか否かは、結局一般社会通念に照らし当該取引が事業として行われているか否かによって決せられるべきものであ...
詳細を表示する
有価証券の売買による所得が事業所得ではなく雑所得であるとした事例
...
裁決事例集 No.21 - 19頁
株式の取引が事業に当たるか否かは、一般社会通念に照らして判断するほかはないが、そのためには事業としての社会的客観性が問われるべきであり、この観点からすれば、その...
詳細を表示する
馬券の的中によって得た払戻金に係る所得について、請求人の一連の馬券購入行為をもって一体の経済活動の実態を有するものとはいえないから、営利を目的とする継続的行為か...
...
▼ 平成30年3月22日裁決
《要旨》
請求人は、競馬の勝馬投票券(馬券)の的中によって得た払戻金に係る所得(本件競馬所得)は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する旨主...
詳細を表示する
未収リース相当額の債権に係る貸倒損失は事業の遂行上生じたものであるとした事例
...
▼ 平成25年3月19日裁決
《要旨》
原処分庁は、本件契約に基因する未収リース料相当額の債権は、被相続人(請求人らの父)の事業の遂行上及び事業の遂行に付随して生じたものと認められず、同債...
詳細を表示する
航空機リース事業に係る匿名組合の組合員に配分されたとする損失は出資額の減少にすぎず、その所得区分は雑所得に該当するとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.76 - 110頁
請求人は、営業者と請求人との間の匿名組合契約の営業者の事業が航空機リース事業であり、所得税法第26条の不動産所得(損失)に該当するから、請求人の所得も営業...
詳細を表示する
審査請求人が国内に恒久的施設を有しない非居住者期間に国内の金融商品取引業者との間で行った店頭外国為替証拠金取引に係る所得は国内源泉所得に該当するとした事例(平成...
...
▼ 平成31年3月25日裁決
《ポイント》
本事例は、審査請求人の店頭外国為替証拠金取引における未決済取引に係る契約上の地位は、所得税法第161条第1号に規定する資産に該当し、当該取引によ...
詳細を表示する