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▼ 裁決事例集 No.53 - 293頁
 法人がその有する債権を放棄し又は他人の債務を負担したような場合には、それは一般的には経済的な利益の無償の供与に当たることとなるから、これらの行為により生じた損失の額は、寄付金の額に該当するというべきであるが、法人がこれらの行為をした場合でも、それが例えばその法人自体の経営危機を招くことを回避するためにやむを得ず行ったものであること等、そのことについて相当の理由があると認められるときは、その行為により生じた損失の額は、寄付金の額に該当しないものと解されるところ、請求人は本件売掛金及び貸付金を放棄したことについては、法人税基本通達9−4−1に定める相当の理由があるといえるから、これらの額は寄付金の額に該当しないと主張するが、請求人は100パーセントの株式を保有する同一商号の新子会社を設立し、対外的には表面上何ら変わらないようにして旧子会社に債務を負わせたまま営業を譲渡したものであるところから、本件売掛金の放棄は、旧子会社に実質的に負債のみを残す内容のものであること、当該譲渡が行われなければ回収も不可能ではなかったと認められることなど、両会社がいずれも請求人の支配する子会社であるためになしえたものと認められる。
 また、本件貸付金は、融資が行われた時点で既に旧子会社から融資金を回収することは困難であったと認められること、さらには、貸付けは旧子会社の解散後に行われており、請求人は当初から回収する意思はなかったと推認されることから、旧子会社の負担すべき損失を代わって負担することにより、旧子会社に対し経済的な利益の無償の供与をしたものであると認められることから、請求人が経済的な利益の無償の供与をしたことについては、同通達に定める相当な理由があるとはいえず、いずれも寄付金の額に該当するというべきである。
平成9年6月2日裁決




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