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▼ 裁決事例集 No.74 - 197頁
 請求人は、親会社からの劣後特約付の借入れ(本件借入れ)は、請求人の組織再編に伴うメーカーや卸業者からの保証金差し入れ要求に備えるため、設備投資(リース)及び新店舗の展開を行うため、並びに請求人の財務体力・信用力の維持を同時に実現するために行ったのであるから、合理性があった旨主張する。
 しかしながら、請求人は、本件借入れ時点において十分な事業資金を有しており、請求人には劣後特約を付した高率の利息を支払ってまで借入れを行う必要性は全く認められないことからすれば、請求人が本件借入れを行ったことは、通常の経済人を基準にすれば、経済的合理性のない不自然・不合理な行為と認められ、結果的に法人税の負担を不当に減少させるものと認められる。したがって、法人税法第132条の規定を適用して劣後特約を否認し、通常あるべき行為(劣後特約の付されていない借入れ)に引き直すと、本件借入れの適正な利率は、請求人の当時の取引銀行からの平均調達金利とするのが相当であるから、それを超える支払利息は、何ら対価性がなく、法人税法第37条第7項に規定する寄附金と認めるのが相当である
平成19年7月23日裁決




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