▼ 裁決事例集 No.72 - 565頁 財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(以下「本件通達」という。)を定めた趣旨は、評価の対象となる宅地の面積が、当該宅地の価額の形成に関して直接影響を与えるような特性を持つ当該宅地の属する地域の標準的な宅地の面積に比して著しく広大で、評価時点において、当該宅地を当該地域において経済的に最も合理的な特定の用途に供するためには、公共公益的施設用地の負担が必要な都市計画法に規定する開発行為を行わなければならない土地である場合にあっては、当該開発行為により土地の区画形質の変更をした際に、公園等の公共公益的施設用地としてかなりの潰れ地が生じ、このような土地の評価に当たっては、潰れ地が生じることを当該宅地の価額に影響を及ぼすべき客観的な個別事情として、価格が減少していると認められる範囲で減額の補正を行うこととしたものである。 このような本件通達を定めた趣旨等にかんがみれば、本件通達でいう評価宅地の属する「その地域」とは、河川や山などの自然的状況、行政区域、都市計画法による土地利用の規制など公法上の規制等、道路、鉄道及び公園など、土地の使用状況の連続性及び地域の一体性を分断する場合がある客観的な状況を総合勘案し、利用状況、環境等が概ね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当である。 これを本件についてみると、本件各土地が属する「その地域」とは、市道n線、市道k線、市道p線、及び県道m号線に囲まれた地域(以下「本件地域」という。)をいうものと解するのが相当であり、本件地域における宅地の利用状況は、一部は住宅用地として使用されているものの、大部分は、倉庫敷地、事務所敷地及び駐車場に利用されており、それらの地積の平均は、約1,970程度であると認められるから、本件各土地は、本件地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地であるとはいえず、本件通達を適用することはできない。 平成18年12月8日裁決 |
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