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▼ 裁決事例集 No.77 - 161頁
 請求人は、原処分庁が、請求人がM国船籍の船舶を所有するM国法人3社と締結した本件各契約に基づいて支払った本件各金員は、所得税法第161条第3号に規定する国内源泉所得となる「船舶の貸付けによる対価」に該当するとして行った納税告知処分等、及び本件各契約は裸傭船契約であるから、本件各船舶に係る減価償却費は計上することはできないとして行った法人税の更正処分等について、本件各契約は、裸傭船契約の書式を使用しているが、同時に船舶の買取りの権利・義務に関する覚書を締結することにより、所有権留保付割賦売買契約となるもので、本件各船舶は請求人が本件各M国法人から取得したものであるから、本件各金員は、裸傭船料ではなく本件各船舶の取得に係る割賦代金であり、同条第3号に規定する国内源泉所得には該当しない旨、また本件各船舶の取得価額を基に算定された減価償却費は損金の額に算入されるべきである旨主張する。
 しかしながら、本件各契約は、裸傭船契約書の書式を用いて行われており、その記載内容を読む限り、裸傭船契約(船舶賃貸借契約)であると解するのが自然である。そして、請求人にとっては、本件各船舶を自ら所有して、日本船籍の船舶として使用するよりも、本件各M国法人が所有するM国船籍の船舶を借りて使用する方が、経済的にメリットがあることからすれば、請求人が、売買契約ではなく裸傭船契約の法形式を選択することには合理性がある。さらに、請求人は、裸傭船契約であることを前提とした経理処理を行っているから、請求人自身、本件各契約を、所有権留保付割賦売買契約ではなく、裸傭船契約であると認識していたといえ、また、本件各M国法人も、その経理処理からすれば、本件各契約を裸傭船契約と認識していたといえる。以上によれば、本件各契約は、所有権留保付割賦売買契約ではなく、裸傭船契約(船舶賃貸借契約)であると認められる。
 したがって、原処分庁が行った納税告知処分等は適法であり、請求人が本件各契約締結時に本件各船舶を取得した事実はないため、原処分庁が行った更正処分等も適法である。
平成21年5月27日裁決




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