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請求人の取締役が請求人から不正に取得した金員は、請求人が当該取締役に支給した給与等には該当しないとした事例(平成21年12月、平成23年11月、平成23年12月、平成24年3月、平成24年8月から平成24年10月まで及び平成24年12月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び重加算税の各賦課決定処分、平成25年12月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分、平成25年3月から平成25年8月まで、平成25年11月、平成26年1月から平成27年10月まで、平成27年12月、平成28年2月及び平成28年3月の各月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに重加算税の各賦課決定処分・全部取消し・平成30年5月7日裁決)


▼ 平成30年5月7日裁決
《ポイント》
 本事例は、代表者以外の役員が横領により法人の金員を不正に取得した場合に、当該役員が法人経営の実権を掌握し法人を実質的に支配していたとは認められないから、当該金員は当該役員に対する給与等には該当しないとして、源泉所得税等の納税告知処分等を取り消したものである。
《要旨》
 原処分庁は、請求人の取締役(本件役員)が請求人から不正に取得した金員(本件金員)について、本件役員は請求人の業務において影響力を有していたと認められること及び経理業務の重要な部分を任されていたと認められることからすると、その地位に基づいて支給されたのであるから、所得税法第28条《給与所得》第1項に規定する給与等に該当する旨主張する。
 しかしながら、本件役員は、法律上請求人の業務執行等を決定する地位にあったとは認められず、事実上もそのような地位にあったことを認めるに足りる証拠はないのであって、本件役員が請求人の業務において影響力を有していたとは認められない。また、本件役員の職務内容についての申述などからは、本件役員が経理業務の重要な部分を任されていたとは認められない。したがって、本件役員が、請求人の経営の実権を掌握し、請求人を実質的に支配していたとは認められないから、本件役員がその地位及び権限に基づいて請求人から本件金員を得たものとは認められず、本件金員は、請求人が本件役員に支給した給与等には該当しない。
《参照条文等》
 所得税法第28条第1項、第183条第1項
《参考判決・裁決》
 仙台高裁平成16年3月12日判決(税資254号順号9593)




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