TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼裁決事例集 No.79
 請求人は、請求人が行った外国為替証拠金取引はその取引回数が約1,400回で、取引金額にすると130,000,000円を超える規模であり、1日に費やす時間も平均15時間に及ぶことからみて事業所得を生ずべき事業に該当する旨主張する。
 しかしながら、ある経済的行為が所得税法施行令第63条第12号の「対価を得て継続的に行う事業」に該当するか否かは、当該経済的行為の営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無のほかに事業としての社会的客観性の有無が問題とされるべきであり、この観点からは、当該経済的行為の種類、自己の役割、人的・物的設備の有無、資金の調達方法、費やした精神的・肉体的労力の程度、その者の職業・社会的地位などの諸点を検討する必要がある。そして、一定の経済的行為が反復・継続して行われることによって事業として社会的客観性が認められるには、相当程度安定した収益を得られる可能性がなければならない。
 これを本件についてみると、一般に外国為替証拠金取引は投機性の高い取引であり、継続的に相当程度安定した収入が得られる可能性が乏しく、本来事業になじみがたい性格を有するものであること、請求人は、自らが代表取締役を務める法人2社からの役員報酬により生計を立てていること、請求人は、インターネット情報などを参考に取引を行っているが、外国為替証拠金取引の企画遂行に当たって相当程度の精神的・肉体的労力を要していると認められないこと、外国為替証拠金取引のための積極的な資金調達が認められないこと、及び外国為替証拠金取引を反復継続して行うための人的物的設備を有していないことが認められ、これらのことを考慮すると、請求人が行った外国為替証拠金取引は、事業として社会的客観性がいまだ認められず、「対価を得て継続的に行う事業」に該当するということはできない。
《参照条文等》
所得税法第27条第1項、第69条第1項
所得税法施行令第63条
平成22年2月16日裁決




類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...60000.html

本件競走馬の保有は事業所得の基因となる事業に当たらないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.62 - 65頁  請求人は、本件競走馬の保有に係る所得は事業所得に該当すると主張する。  しかしながら、競走馬の保有に係る業務が所得税法第27条第1項にいう事業に該当するかど...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...80000.html

未収リース相当額の債権に係る貸倒損失は事業の遂行上生じたものであるとした事例


... ▼ 平成25年3月19日裁決 《要旨》  原処分庁は、本件契約に基因する未収リース料相当額の債権は、被相続人(請求人らの父)の事業の遂行上及び事業の遂行に付随して生じたものと認められず、同債...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

審査請求人が営む不動産貸付けについて、同族会社1社への専属的な貸付けであり、本件貸付けの維持管理業務の程度が実質的には相当低いなどとして、不動産所得を生ずべき事...


... ▼ 裁決事例集 No.68 - 59頁  請求人は、本件貸付けによる収入が年間700万円以上であること、また、9年間事業規模相当として申告してきたことなどを理由に本件貸付けは不動産所得を生ずべき事業...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

非居住者である請求人が行っている国内不動産の貸付けが所得税法上の事業に該当するとはいえないから、当該不動産の賃貸料等は、代理人等を通じて行う事業に帰せられる国内...


... ▼ 平成28年12月20日裁決 《ポイント》  本事例は、非居住者に適用される源泉徴収の免除に関する規定(平成26年法律第10号による改正前の所得税法第214条第1項第3号)における「事業」...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70000.html

リース業を営む者が、リースの用に供していた機械等の資産を譲渡したことによる所得の所得区分は、譲渡所得には該当せず、事業所得に該当するとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.51 - 40頁  請求人は、機械等のリース・販売等を営み、リースの用に供していた減価償却資産を譲渡したことによる所得は、[1]本件リース用機械の販売に関し、不特定多数の顧客に...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...80000.html

請求人の絵画の売買に係る業務については、人的、物的設備が備わっておらず、請求人が本件絵画業務に費やす精神的、肉体的労力は低く、自己の危険と計算における企画遂行性...


... ▼ 裁決事例集 No.55 - 53頁  請求人は、請求人の絵画の売買に係る業務が開業以来赤字であるのは、事業戦略上の判断を誤ったため損失を招いただけであり、特定の画廊を通じて業務を行っているのはそ...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...30000.html

有価証券の売買による所得が事業所得ではなく雑所得であるとした事例


... 裁決事例集 No.21 - 19頁  株式の取引が事業に当たるか否かは、一般社会通念に照らして判断するほかはないが、そのためには事業としての社会的客観性が問われるべきであり、この観点からすれば、その...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...30000.html

有価証券の売買及び商品先物取引により生じた損失を雑所得を生ずべき業務から生じた損失の額と認定した原処分を適法とした事例


... 裁決事例集 No.38 - 36頁  一定の具体的取引行為が「事業所得を生ずべき事業」に該当するか否かは、結局一般社会通念に照らし当該取引が事業として行われているか否かによって決せられるべきものであ...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...40000.html

商品先物取引により生じた損失の所得区分は雑所得に属するとした事例


... 裁決事例集 No.35 - 19頁  請求人は、本件商品先物取引に係る所得は、[1]営利性、有償性、[2]継続性、反復性、[3]自己の危険と計算による企画遂行性、[4]精神的、肉体的労力の程度、[5...

詳細を表示する