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▼ 平成22年8月6日裁決
 本件告知処分が適法であるとするためには、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受等の第二次納税義務》の無償譲渡等の処分の効力が、本来の納税者である請求人の父が納付すべき国税(本件国税)の法定納期限の1年前の日以後に発生していることが要件となるが、父から請求人へ贈与された不動産等(本件贈与不動産等)のうち農地法上の農地については、所有権を移転する場合には、農地法第3条《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》又は第5条《農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限》の規定により、農業委員会又は都道府県知事の許可を受けなければならず、この許可は農地の所有権移転についての効力発生要件と解されているところ、これらの不動産については、農地法が定める所有権移転のための許可を得ていないのであるから、本件告知処分時においてこれらの不動産について無償譲渡等の処分の効力が発生したということはできない。
 また、その他の不動産等についてみると、請求人が父から不動産等を贈与されたのは、本件国税の法定納期限の1年前の日よりも前であること、更に、不動産のように、第三者に対する対抗要件として登記を要するものについては、第三者対抗要件を具備したときに無償譲渡等の処分の効力が発生すると解したとしても、本件国税の法定納期限の1年前の日から本件告知処分時までの間において、請求人は、本件贈与不動産等につき第三者対抗要件を具備していないから、「国税の法定納期限の1年前の日以後に無償譲渡等の処分が行われたこと」という国税徴収法第39条の適用要件を欠くこととなる。
 なお、原処分庁は、無償譲渡等の処分の効力の発生時期に関し、本件贈与不動産等につき、贈与を原因とする請求人への所有権移転登記手続を命ずる判決の確定によって、請求人は当該不動産についての所有権移転登記手続をなし得る権利を取得したのであり、同判決の確定がなければ請求人は第三者対抗要件を具備することはできないのであるから、本件においては同判決の確定をもって国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分の効力が発生したと解するのが相当である旨主張するが、同判決の確定によってはじめて贈与による所有権移転の効果が生じるものではなく、同判決を債務名義として請求人が単独で所有権移転登記手続をなし得るとしても、同判決の確定によって請求人が第三者対抗要件を具備したことにならないことは明らかであるから、原処分庁の主張には理由がない。
《参照条文等》
 国税徴収法第39条




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