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▼ 裁決事例集 No.74 - 357頁
1 財産評価基本通達40において、市街地農地の価額は、その農地が宅地であるとした場合の1当たりの価額から宅地に転用する場合に通常必要と認められる造成費に相当する金額を控除して評価することとしており、倍率方式によって評価する地域内に所在する場合には、その農地が宅地であるとした場合の価額の算定をどのように行うかが問題となるところ、財産評価基本通達では、その農地が宅地であるとした場合の1当たりの価額は、その付近にある宅地について同通達11に定める方式によって評価した1当たりの価額を基とし、その宅地とその農地との位置、形状等の条件の差を考慮して評価するとして実務上の取扱いを定めている。
 X市においては、市街化区域内に所在する田及び畑の固定資産税評価額は、その農地が宅地であるとした場合の価額から造成費相当額を控除することによって求められているから、原則として、市街化区域内に所在する農地の固定資産税評価額の算出過程においては、評価対象地が宅地であるとした場合の固定資産税評価額そのものが算定されていることになるのであり、評価対象地が宅地であるとした場合の固定資産税評価額そのものが算定可能である場合には、あえて付近の宅地の価額を基に算定するまでもなく、その固定資産税評価額を基に評価するのが相当である。
2 農地を宅地に転用するとは、農地を建築物の建築の用に供するためにその地面や地盤の変更を行うことをいうものと解されるが、実際にはその地域、土質、造成規模、造成目的などの条件によってその内容は種々異なることになる。その具体的な内容としては、宅地以外の土地を宅地化するために土地の形質を変更するために行われる整地、土盛り又は土止めに係る工事と、造成の目的が、戸建住宅、アパート、マンション、工場、倉庫、構築物の敷地などの各用途の別により必要とされる個別の工事とが考えられる。このうち、の造成工事については、その土地上にどのような建物等を建築するかの個別事情に左右される部分が大きいことから各建築物に附属する費用とも捕らえることができる。市街地農地を評価するに当たって造成費相当額を控除するのは、市街地農地の価額の形成要因が、農地としての利用ではなく宅地としての利用を前提としたものであり、その要因は近隣の更地である宅地と変わりがなく、また、更地である宅地との比較においては、宅地造成費相当額分だけの格差があるものと認められることによる。そのために通常必要とされる宅地造成費とは、どのような建築物が建築されるかにかかわらず必要とされる整地、土盛り又は土止めに要する金額を指すものと解するのが相当である。
 この点について、請求人らは、宅地造成費に給水管等敷設費を含めているが、給水管等敷設費は、宅地を戸建住宅の敷地として利用するための個別の費用であり、このような費用は上記の造成工事費に該当すると認められるから、宅地比準方式により土地を評価する上で控除の対象となる宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費には当たらないものと認められる。
平成19年11月5日裁決




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