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▼ 裁決事例集 No.48 - 489頁
 原処分庁は、滞納会社の滞納国税を徴収するため、同社の代表者名義のゴルフ会員権(「本件会員権」)を差し押さえるとともに、本件会員権の会員証書(「本件会員証書」)を占有している貸金業者である請求人に対し、本件会員証書の引渡命令をした。
 請求人は、差し押さえられた本件会員権は、仮にその購入資金が滞納会社から出捐されていたとしても、それは代表者と滞納会社の内部関係にとどまり、本件会員権は代表者とゴルフ場の契約によって代表者個人の権利として生じたものであり、請求人は、差押え前に代表者から譲渡担保設定契約により適法に本件会員権の譲渡を受けていると主張し、本件会員権の法律上の権利者でない滞納会社の滞納による差押えは違法であって、違法な差押えには民法第467条の指名債権譲渡の対抗要件は不要である等と主張する。
 しかし、預託金制ゴルフ会員権は、債権的法律関係を包含しているところ、名義人以外に実質的権利者がいる場合には、当該権利者に帰属する財産として滞納処分を行い得ることは当然である。
 本件会員権については、[1]その取得資金の全額が滞納会社の資金により支払われていること、[2]取締役会の承認を経た滞納会社の決算報告書に本件会員権が資産として計上されていること及び[3]本件会員権の名義人である個人が滞納会社の代表取締役の地位にあり、取締役会で異議なく滞納会社の当該決算報告書を承認していたこと等からすると、滞納会社に帰属すると認めるのが相当であるから、差押えに違法な点はない。
 なお、(仮に滞納会社が代表者に本件会員権の処分権を与えていたとしても)預託金制ゴルフ会員権の譲渡をもって第三者に対抗するためには、指名債権譲渡の対抗要件である確定日付のある証書による譲渡通知又は承認が必要であるところ、請求人が第三者対抗要件を備えたのは、差押え後であることが明らかであるから、請求人は、本件会員権の譲渡を受けたことをもって差押債権者たる原処分庁に対抗できない。
 また、本件会員証書は、有価証券ではなく単なる証拠証券であるから、本件会員権の権利者と認められない以上、本件会員証書自体の占有をもって何ら権利を取得したことにはならず、さらに、本件会員証書自体につき、独立して民法第192条の規定による即時取得をすることもない。
平成6年11月18日裁決




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