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▼裁決事例集 No.78 - 1頁
 請求人らは、本件和解調書には、利害関係人に対する本件死因贈与契約を無効である旨の一条項があるものの、実質的には本件不動産の持分2分の1が、相続人たる請求人らではなく、利害関係人に帰属することを認めたものというべきである、仮に本件和解条項の文言のとおり、本件死因贈与契約が無効であるとしても、本件和解により請求人らが利害関係人に支払う解決金は、療養看護の対価であり、被相続人が負担すべき債務として相続開始日において存在したものというべきであると主張し、本件和解により、申告に係る課税標準又は税額の計算の基礎となった事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したと主張する。
 しかしながら、本件和解条項は、本件死因贈与契約が無効であること及び本件不動産が請求人ら及び共同相続人Jに帰属することを確認したものであることが明確であり、これは、請求人らが申告の基礎とした事実と同一であり、本件和解条項を、本件不動産の持分2分の1が被相続人の相続開始日にさかのぼって利害関係人に帰属することを認めたものと解する余地はない。また、本件解決金は、請求人ら及び共同相続人Jが、利害関係人に対し、同人が被相続人の療養看護をしてきたことを認めて支払うことを合意したものであって、被相続人が、相続開始時において、利害関係人に支払うべきであったものとは認められない。したがって、本件和解により、申告に係る課税標準又は税額の計算の基礎となった事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとは認められない。
平成21年11月16日裁決




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