TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼ 令和元年5月14日裁決
《ポイント》
 本件は、滞納者や第三債務者による、被差押債権の不存在又は消滅を理由とする差押処分の違法又は無効の主張は、不存在又は消滅が明らかであるような事情、あるいは徴収権の濫用と認められる等の事情が無い限り、認められないと解されるとしたものである。
《要旨》
 請求人は、請求人が有する保証金の返還請求権(本件被差押債権)の差押処分(本件差押処分)時において、本件被差押債権は既に消滅しており存在しなかったから、本件差押処分は違法又は無効であり、滞納国税の徴収権の消滅時効は、本件差押処分によって中断していない、したがって、不動産差押処分時において滞納国税の徴収権は時効により消滅している旨主張する。
 しかしながら、被差押債権の存在を滞納処分による債権差押処分の要件とする旨の規定は存在せず、また、仮に滞納処分による債権差押処分を行った場合に被差押債権が存在せず又は既に消滅していたとしても、それは結果的に債権差押処分の執行が功を奏しなかったというだけにすぎず、権利者による権利行使がなされたことに変わりはない。したがって、仮に本件被差押債権が消滅しており存在しなかったとしても、そのことによって本件差押処分が違法又は無効になるものではないことから、滞納国税の徴収権の消滅時効は、本件差押処分によって中断している。



《参照条文等》
 国税通則法第72条
 民法第147条


《参考判決・裁決》
 東京地裁平成12年12月21日判決(判時1735号52頁)
 大阪高裁昭和37年6月18日判決(訟月8巻8号1351頁)
 平成18年3月30日裁決(裁決事例集No.71)





類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

債権差押処分における被差押債権の不存在又は消滅の主張は債権差押処分の違法又は無効事由と認められないとした事例


... ▼ 令和元年5月14日裁決 《ポイント》  本件は、滞納者や第三債務者による、被差押債権の不存在又は消滅を理由とする差押処分の違法又は無効の主張は、不存在又は消滅が明らかであるような事情、ある...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...30300.html

差押処分の前に差押財産を商品売買契約により取得し、引渡しを受け対抗要件を備えたとの請求人の主張について、商品売買契約書により売買の意思表示は認められるものの、売...


... ▼ 令和元年7月8日裁決 《ポイント》  本事例は、直接証拠として提出された商品売買契約書について、その証拠力の適切な検討を踏まえて、請求人と滞納法人との商品売買契約の成否について、当事者の真...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

滞納法人の代表者である請求人の実印が押なつされた納税保証書は、請求人の同意もなく従業員によって作成、提出されたものであって、無効であるとの請求人の主張に対し、請...


... ▼令和2年7月1日裁決 《ポイント》  本事例は、納税保証書の真正な成立について、請求人から、いわゆる二段の推定における請求人の意思に基づくことの反証がされたところ、納税保証書の作成時の請求人の実印...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...60000.html

利息制限法所定の制限利息を超える額の利息を支払ったことによる過払金返還請求権は、その利息を支払った時に発生し、既に発生した債権は弁済期が未到来であっても差押えの...


... ▼ 平成23年2月3日裁決 《ポイント》  この事例は、利息制限法所定の制限利息の額を超える利息を支払ったことによる過払金返還請求権の発生時期や差押財産該当性について判断したものであり、先例となるも...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...50000.html

元従業員が請求人の仕入れた商品を窃取したことによる当該元従業員に対する損害賠償請求権を益金の額に算入すべきとした事例


... ▼ 令和元年5月16日裁決 《ポイント》  本件は、従業員等による横領があった場合の損害賠償請求権について先例が示した判断と基本的に同様の判断をしたものであるが、請求人の隠蔽行為があったと認め...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...60000.html

差押処分の直後に自主納付により滞納国税が完納される可能性は著しく低く、請求人の財産を早期に保全する必要性があったと認められることからすると、差押処分に係る徴収職...


... ▼ 平成27年6月1日裁決 《要旨》  原処分庁が、請求人の滞納国税(本件滞納国税)を徴収するために債権の差押処分(本件差押処分)をしたことに対し、請求人は、原処分庁との納付相談において請求人の申し...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70000.html

第二次納税義務の受けた利益の額の算定において、無償譲渡した不動産を財産評価通達を参考にして評価することは妥当とはいえないとして、納付告知処分の一部を取り消した事...


... ▼ 令和元年6月4日裁決 《ポイント》  本事例は、国税徴収法第39条の第二次納税義務における受けた利益の額は、財産処分時等の現況に応じて、客観的な交換価値である通常の取引価額により算出するも...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

相続により取得した各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断した事例(平成27年12月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処...


... ▼ 令和元年9月17日裁決 《ポイント》  本事例は、相続により取得した各土地について、貸借関係における権利金の有無、支払地代の水準、貸主と借主との関係及びその契約の経緯や趣旨を総合的に考慮す...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

弁護士である破産管財人に支払われた破産管財人報酬は、所得税法第204条第1項第二号に規定する弁護士の業務に関する報酬に該当し、破産者の源泉徴収義務及び納付義務に...


... ▼ 裁決事例集 No.63 - 212頁  請求人は、破産管財業務が弁護士法第3条に規定する官公署の委嘱に基づく法律事務に該当しないので、破産管財人報酬は所得税法第204条第1項第2号に規定する弁護...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

相続により受けた利益の価額が確定していないから連帯納付義務はいまだ発生していないとする請求人の主張を排斥した事例


... ▼ 裁決事例集 No.71 - 626頁  請求人は、遺留分減殺請求権を行使して本件土地建物の共有持分12分の1について所有権移転登記(以下「本件登記」という。)をしているが、[1]本件登記は、請求...

詳細を表示する