▼ 裁決事例集 No.67 - 115頁 国税通則法第102条第1項に規定する裁決の拘束力とは、取消し又は変更の裁決の実効性を保障するために認められるものであるから、その効力は、裁決の主文及び主文と不可分一体をなす理由について生ずるものであり、裁決で排斥された原処分の根拠以外の別個の理由があるときは、原処分庁は、当該裁決にかかわらず、当該別個の理由に基づいて再更正処分をすることができるものと解される。 本件において、請求人は、一次相続に係る再更正処分及び二次相続に係る本件更正処分は、裁決の拘束力を埒外とした違法な処分である旨主張する。 一次相続に係る裁決は、原処分庁における本件保証債務の額の認定誤りのほか、共同相続人間でその負担額が確定していないとして法定相続分に基づいて本件保証債務を負担すべきと判断し、一次相続に係る更正処分の一部を取り消したものであるところ、原処分庁は、当該裁決後において、さらに別の保証債務に係る金額を本件保証債務の金額に追加認定し、本件保証債務の金額の一次相続に係る共同相続人間の負担額は、実際の弁済額により確定したとする事実認定に基づき一次相続に係る再更正処分を行ったもので、これらは、一次相続に係る裁決で排斥された原処分の根拠以外の別個の理由であるといえるから、一次相続に係る再更正処分は違法ではない。 また、一次相続に係る再更正処分と二次相続に係る本件更正処分とは無関係なものではないが、当該再更正処分が違法な処分でなく、また、本件更正処分は一次相続に係るものではなく、二次相続に係る別個の処分であることは明らかであるから、本件更正処分は違法ではない。 平成16年5月31日裁決 |
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