▼ 裁決事例集 No.65 - 1115頁 請求人は、会社倒産後は生命保険料の支払もできない状態になり、生命保険会社が未払いの保険料を立て替えていたにもかかわらず、差押えた本件債権を10年余りも解約執行せず放置したことから、解約返戻金が減少することとなったものであり、差押え直後に解約返戻金を滞納税額に充当しておれば、これほどの滞納税額にならなかったことから、本件配当処分を取り消し、差押え時点に遡って解約権を行使し配当処分をすべきである旨主張する。 しかしながら、本件生命保険契約は、65歳の保険料払込満了後になっても、請求人が死亡した場合には、死亡保険金受取人からの普通死亡保険金支払請求ができる契約となっており、原処分庁は、解約権を行使して取立てを行う行為は、将来発生すると予測される受取人の普通死亡保険金支払請求の権利を奪うこととなり、受取人に影響を及ぼすおそれがあったことから慎重に行うこととし、請求人自らが円満に納付できるよう努力を行っていたにもかかわらず、請求人が原処分庁に連絡した事実はない。 また、本件生命保険契約の解約返戻金が減少した理由は、請求人が保険料の支払いを怠ったためであり、その責任は請求人にあると言わざるを得ない。 さらに、原処分庁が行った一連の徴収手続に違法性はなく、差し押さえた債権の取立てをしなければならない期間について規定した法律はないことから、請求人の主張には理由はない。 平成15年6月19日裁決 |
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