TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼ 平成23年6月7日裁決
《ポイント》
 所得税法上、居住者に対し支払う給与等につき源泉徴収すべき税額を求める際に適用すべき税額表は、支給期が毎月、毎半月、毎旬及び月の整数倍ごとと定められているものは月額表、支給期が毎日と定められているものは日額表とされており、求めるべき税額は、扶養控除等申告書の提出の有無に応じ、それぞれ、甲欄、乙欄に掲げる税額とされている。また、労働した日又は時間によって算定され、かつ、労働した日ごとに支払われる給与等で一定のものは、日額表の丙欄に掲げる税額とされている。
 この事例は、いわゆる派遣医に対して支払う給与について、派遣医との契約内容等に応じ、月額表又は日額表の乙欄、あるいは日額表丙欄が適用されると判断したものである。
《要旨》
 原処分庁は、請求人に大学から派遣される医師(大学派遣医)及び請求人と医師個人との契約等により勤務する医師(個人契約医)に請求人が支払う給与について、源泉徴収税額表の日額表が適用される旨主張し、これに対し請求人は月額表が適用される旨主張するところ、大学派遣医については、大学との間で勤務1回当たりの額という形で給与の額を定め、勤務予定については四半期ないし半年という期間ごとに一応決定されていたものの、実際に勤務する医師が誰であるか勤務直前になるまで分からないのであるから、勤務回数が一定の期間で何回になるか事前に確定しているとはいえない。したがって、勤務した日ごとに支払っている大学派遣医の給与は、勤務した日ごとに定められているということができ、「給与等の支給期が毎日と定められている場合」に該当すると認められるから、日額表の乙欄に掲げる税額を源泉徴収すべきである。
 また、勤務日を毎週木曜日として1年間継続して請求人に勤務する旨の契約を取り交わし、その後勤務を続け、平成17年3月から同年12月までの間は、継続して第2及び第4木曜日に勤務していた個人契約医は、請求人との間において、毎月一定日数勤務することをあらかじめ取り決めてあったということができ、同人の給与については、「月間の給与総額をあらかじめ定めておき、これを月ごとに又は派遣を受ける都度分割して支払うこととするもの」と認められるから、月額表の乙欄に掲げる税額を源泉徴収すべきである。
 一方、請求人の病院に継続して勤務する取決めはなく、請求人の依頼に基づいて臨時的に勤務していた個人契約医は、勤務1回当たりの給与についてもその都度取り決めていたというのであるから、日日雇い入れられる者に対して労働した日によって算定した額を労働した日ごとに支払っている給与であると認められるので、日額表の丙欄に掲げる税額を源泉徴収すべきである。
《参照条文等》
 所得税法第185条第1項
 所得税法施行令第309条




類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

派遣医に支払う給与等の源泉徴収につき、勤務した日ごとに定額の給与を支給していた場合であっても、月間の給与総額をあらかじめ定めておき、これを月ごとに又は派遣を受け...


... ▼ 平成23年6月7日裁決 《ポイント》  所得税法上、居住者に対し支払う給与等につき源泉徴収すべき税額を求める際に適用すべき税額表は、支給期が毎月、毎半月、毎旬及び月の整数倍ごとと定められているも...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

海外出向者の帰国後に、当該海外出向者の国外勤務中の給与に係る外国所得税の額を請求人が負担したことについて、居住者に対する経済的利益の供与に当たるとした事例


... ▼ 平成23年7月6日裁決 《ポイント》  所得税法第8条において、非居住者から居住者になった場合など、個人が年の中途で納税義務者の区分に異動を生じた場合には、その者がその年においてそれぞれの納税義...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

請求人の元理事長らが不正行為により流用等した金員等は、当該元理事長らに対する給与所得又は退職所得として、請求人は源泉徴収義務を負うと認定した事例


... ▼ 裁決事例集 No.57 - 192頁  請求人の元理事長が請求人の営む事業に係る人件費及び給食材料費等を架空又は水増し計上するなどの方法によりねん出した資金を簿外口座預金に預け入れた後、当該口座...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

海外勤務者の帰国後に請求人が負担した外国所得税について、支払事務が国外において行われていたとして所得税の源泉徴収を要しないとした事例


... ▼ 平成23年6月28日裁決 《ポイント》  この事例は、所得税法183条に規定する「国内において給与等の支払をする」の解釈を示したものである。 《要旨》  原処分庁は、請求人の海外事業所に勤務して...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

弁護士である破産管財人に支払われた破産管財人報酬は、所得税法第204条第1項第二号に規定する弁護士の業務に関する報酬に該当し、破産者の源泉徴収義務及び納付義務に...


... ▼ 裁決事例集 No.63 - 212頁  請求人は、破産管財業務が弁護士法第3条に規定する官公署の委嘱に基づく法律事務に該当しないので、破産管財人報酬は所得税法第204条第1項第2号に規定する弁護...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

関係会社の名義による源泉所得税の納付は、請求人による納付としての法的効果を生じないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.77 - 207頁  請求人は、各関係会社名義を用いての源泉所得税の納付であったものとしても、それは請求人が法定期限内に納付していたものであるから、請求人による納付があったもの...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...10000.html

契約期間を満了して退職する期間契約社員に対し慰労金名目で支給された金員は、退職により一時に受ける給与というための要件を満たしているから、退職所得に該当するとした...


... ▼ 平成23年5月31日裁決 《ポイント》  この事例は、契約期間を満了して退職する期間契約社員に対し支給された慰労金名目の金員につき、その支払者が給与所得に該当するとして所得税の源泉徴収をしたもの...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

タクシーによる旅客運送業を営む法人について、休日乗務手当、嘱託乗務員の乗務手当の源泉徴収につき、支給額等を認定し、適用税率を是正し、税額を算定した事例


... ▼ 裁決事例集 No.48 - 335頁  請求人は、[1]原処分庁は、[イ]請求人の源泉徴収税額の計算の基礎とした各月分の給与の額には、社員乗務員に支給した休日乗務手当の額及び嘱託乗務員に支給した...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...40000.html

年末調整を受けた給与所得者が、扶養親族に該当しない親族を給与等の支払者に扶養親族として届出て扶養控除の適用を受けていた場合において、当該給与所得者は納税申告書を...


... ▼ 裁決事例集 No.72 - 25頁  請求人は、請求人の母親は請求人とは同居していないが、請求人が母親に住宅を提供し、費用を負担していることは、請求人が母親に対して月額約10万円程度の家賃相当額...

詳細を表示する