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▼ 平成24年7月5日裁決
《ポイント》
 本事例は、請求人が取得した不動産には、土地、建物のほか建物付属設備が含まれていたことから、それぞれの取得価額を基に本件事業年度における各資産の償却限度額等を再計算して、原処分の一部を取り消したものである。
《要旨》
 請求人は、不動産の取得に際して請求人が売主へ支払った固定資産税等相当額は、地方税法上の納税義務者として支払う固定資産税等そのものではないものの、請求人と売主との間で、それぞれの当該不動産を所有する期間に対応する固定資産税等を負担したものであり、損金の額に算入すべきものである旨主張する。
 しかしながら、地方税法上、固定資産税等の納税義務者は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者であると解されるところ、賦課期日後に所有者に異動が生じたからといって課税関係に変動が生じるものではなく、同日後に固定資産の所有者となった者が納税義務を負うことはないから、固定資産の売買の当事者間において売買後の期間に対応する、いわゆる未経過分の固定資産税等相当額が授受されたとしても、買主において地方税法上の固定資産税等の納税義務に伴う負担とみることはできない。そうすると、請求人が売主へ支払った固定資産税等相当額は、当該不動産に係る売買契約書の定めにより請求人と売主との間に生じる債権債務関係に基づいて授受されたものであって、また、当該不動産の売買に伴って授受されたものであり事後費用とはいえないことからすれば、当該固定資産税等相当額は、当該不動産の購入の代価の一部であると認めるのが相当である。したがって、当該固定資産税等相当額は取得した不動産の取得価額に算入すべきである。
《参照条文等》
 法人税法施行令第54条
 法人税基本通達7−3−16の2
 地方税法第343条
《参考判決・裁決》
 平成24年3月13日裁決(裁決事例集No.86)




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