TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼ 裁決事例集 No.74 - 146頁
 請求人は、法人税法第36条及び法人税法施行令第72条に規定する適正役員退職給与の額の具体的な判断基準としていわゆる功績倍率法を用いることについて争いはないが、原処分庁が類似比較法人として選定した会社は不明であり、その数も少ないこと、代表取締役と取締役の功績倍率が同じというのは不自然であり、社会通念上も余りに低率であること、Fは創業以来の代表取締役であること、Hは創業者の妻であり創業以来の取締役であること、裁判事例や裁決事例でも功績倍率が3.3〜3.6倍というのは定着していることなどからすると、Fの功績倍率を3.6、Hの功績倍率を3.3とするのが相当である旨主張する。
 原処分庁は、功績倍率を求めるために、請求人の類似比較法人として4社を選定しているところ、その抽出基準は請求人の事業内容や事業規模等を反映させたものであって合理的なものと認められ、実際に比較法人を抽出するに当たって、し意的に抽出した等の事情は認められない。
 ただし、比較法人のうち、a法人については、資金繰りのために役員退職給与規定に定められた功績倍率より大幅に低率の功績倍率に基づいて算定した退職給与を支給したとの特殊な事情があり、実際に支給された金額も他の3社に比べて大幅に低いものであることに照らすと、比較法人からa法人を除外した3社を比較法人として、功績倍率を算定するのが相当である。そうすると、平均功績倍率は1.9となる。
 確かに、平均功績倍率を算出するに当たっては、比較法人の数が多いことは望ましいが、その数が少ないことのみをもって、算出された平均功績倍率が相当性を欠くということはできず、上記の事情によれば、比較法人を3社として平均功績倍率を算出したことに合理性がないとはいえない。
 また、功績倍率を定めるに当たっては、代表取締役か取締役か、また、創業以来の役員であるかどうかなどの名目だけではなく、会社への実際の貢献度等の実質も考慮されるべきであるところ、当審判所の調査によっても、上記の平均功績倍率を本件に当てはめることが相当性を欠くと認められるほどに、F及びHの請求人への貢献度が高かったことを裏付ける事情は認められない。
 さらに、本件に関する具体的事情を考慮せず、裁判事例や裁決事例と異なるというだけで、上記の平均功績倍率が社会通念上不相当に低率であるということもできない。
平成19年11月15日裁決




類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70500.html

比較法人の平均功績倍率が、裁判事例や裁決事例による功績倍率よりも低いことのみをもって相当性を欠くものではないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.74 - 146頁  請求人は、法人税法第36条及び法人税法施行令第72条に規定する適正役員退職給与の額の具体的な判断基準としていわゆる功績倍率法を用いることについて争いはない...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70500.html

代表取締役が代表権のない取締役に分掌変更したことに伴って請求人が支給した金員について、実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえず、法人税法上の損金算入すること...


... ▼ 平成29年7月14日裁決 《ポイント》  本事例は、分掌変更後も、請求人の経営ないし業務において主要な地位を占め、請求人の取締役として重要な決定事項に関与していたことが認められるか...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...10000.html

勤務先から、専務取締役であった勤続期間に係る役員退職慰労金として支給された一時金について、請求人が所得税基本通達30−2の(3)に定めるその職務の内容又はその地...


... ▼ 裁決事例集 No.65 - 181頁  原処分庁は、請求人が合併による役員改選により、存続会社の専務取締役から、合併後の法人の代表取締役に就任したことは、役員に再任されただけであって、実質的に退...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...80000.html

取引相場のない株式について、純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)を参酌した価額と取引価額の差額に相当する金額を経済的利益として一時所得と認定した事例


... ▼ 裁決事例集 No.66 - 155頁  請求人は、請求人が代表取締役となっているE社の株式をF社から取得した本件取引は、利害関係のない第三者間の自由な経済取引であり、このような取引において成立し...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70500.html

代表取締役から取締役への分掌変更に伴い支給した役員退職金について損金算入が認められないとした事例


... 裁決事例集 No.22 - 133頁  代表取締役から取締役への分掌変更に伴い支給した役員退職給与について、[1]臨時株主総会議事録及び取締役会議事録等は、いずれも真正に作成されたものと認められない...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70304.html

役員給与の減額理由が業績悪化改定事由に該当しないから減額後の定期給与の額を超える部分は定期同額給与とはいえず損金の額に算入することができないとした事例


... ▼ 平成23年1月25日裁決 《ポイント》  役員給与のうち、定期同額給与、事前確定届出給与及び利益連動給与のいずれにも該当しないものの額は、損金の額に算入されないこととされている。このうち、定期同...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70402.html

取締役が行った取引により当該取締役が取得した金員については、当該取締役の業務上の権限によって判断すると、役員賞与と認めることはできないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.48 - 305頁  原処分庁は、請求人の前代表取締役が代表取締役を退任後(退任後は単なる日常業務に従事する取締役)に行った個人名義の取引について、同人が請求人のただ一人の常...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70303.html

請求人の代表取締役に対する役員給与の額のうち、同業類似法人の代表者に対する役員給与の額の最高額を超える部分の金額は不相当に高額な部分の金額であるとした事例(平成...


... ▼ 平成29年4月25日裁決 《要旨》  原処分庁は、請求人の同業類似法人における代表者に対する役員給与の最高額と比較すると、請求人の代表取締役(本件代表者)に対する役員給与(本件役員給与)の...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70303.html

非常勤取締役に対する役員報酬について、類似法人から算出した報酬額を適正と判断した事例


... ▼ 裁決事例集 No.70 - 215頁  請求人は、非常勤取締役である代表者の母に対する適正報酬額は、当該取締役が代表取締役のよき相談相手として経営に参画していることから、請求人の従業員に対する給...

詳細を表示する