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▼ 平成23年7月5日裁決
《ポイント》
 この事例は、訴訟上の和解に基づき請求人が支払った和解金の性格について、訴訟の経緯、対立点及び和解において請求人が当該和解金を支払うに至った経過並びに和解調書の和解条項内容及び請求人の会計処理の事実から認定したものである。
《要旨》
 請求人は、本件和解(訴訟上の和解)は、原告ら(L及びNら)の請求内容(出資持分の払戻請求及び退職金の支払請求)を認めた内容の和解ではなく、多様な意味合いを包含した金額面での和解であり、本件和解金からLの退職金を控除した金員(本件金員)は、経営上当然の経済行為に基づく支払金という性格を意味しており、出資持分があることを根拠として支払ったものではないから、本件金員の額からLの出資額などを控除した額(本件特別損失額)は本件事業年度の損金の額に計上できる旨主張する。
 しかしながら、本件訴訟の経緯、対立点及び和解において請求人が本件和解金を支払うに至った経過並びに和解調書の和解条項内容及び請求人の会計処理の事実についてみると、請求人は、原告らに出資持分の払戻請求権相当の権利を認めるなど、本件和解金を支払うことで請求人と原告らの債権債務関係を消滅させたものと推認されることから、本件金員からNの退職金相当額を差し引いた金員は、出資者たる地位に基づき支払われた金員であるといえ、当該金員から請求人が資本金勘定から減額したLの出資金相当額などを控除した金員は、剰余金の分配に当たると認められるので、法人税法第22条《各事業年度の所得金額の計算》第5項に規定する資本等取引に該当する。また、平成8年3月期に請求人がNに対する役員退職金として支出した金員相当額が本件和解金の計算に含められた経緯等から判断すると、当該退職金相当額については、請求人が真に支払を受けた者に代わって仮払金・立替金の類として支払ったものであると考えるのが自然である。したがって、本件特別損失額は、法人税法第22条第3項の規定により本件事業年度の損金の額に算入することはできない。
《参照条文等》
 法人税法第22条第3項、第5項
《参考判決・裁決》
 平成20年1月23日裁決(裁決事例集No.75・78頁)




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