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▼ 平成24年8月16日裁決
《要旨》
 請求人は、相続財産である本件土地の価額について、遺言(本件遺言)により換価による分割方法の指定及び遺言執行者の指定がされており、請求人が売却に参加できないという事情があり、また、本件土地の最有効使用が区画分譲地であって、購入者が不動産業者に限定されるという実情があり、当該換価による価額(本件換価価額)は、当該実情に合ったところで決定されたものであるから、相続税法第22条《時価》に規定する時価であること及び本件換価価額が時価であることは、請求人の依頼に基づく不動産鑑定評価額(請求人鑑定額)からも明らかであることから、本件土地の価額は本件換価価額とすべきである旨主張する。
 しかしながら、相続税法第22条に規定する時価とは、「取得の時」における「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」を示すものであるから、「特定の者の間で限定的に行われた取引」における価額は、時価としての前提を欠くものであり、また、本件相続開始日の後にされた本件遺言に基づく換価による分割などが本件土地の価額を減ずる要因となるものでもない。そして、請求人鑑定額は、その算定過程に不合理な点が認められ、本件換価価額が時価であることを明らかにしたものであるとは認められない。さらに、異議審理庁が財産評価基本通達に基づいて算出した価額は、当審判所が近隣の地価公示地の公示価格に基づいて算出した本件土地の時価を超えるものではない。したがって、本件土地の価額について、財産評価基本通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はないから、本件相続税の課税価格に算入されるべき本件土地の価額は、同通達の定めによる価額を基礎とすべきである。
《参照条文等》
 相続税法第22条
《参考判決・裁決》
 東京高裁平成17年2月23日判決(税資255号順号9941)
 東京高裁平成12年9月12日判決(税資248号711頁)




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