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▼ 裁決事例集 No.73 - 376頁
 本件審査請求における各争点については、次のとおりであるが、当審判所の調査によれば、移転価格税制を適用すべき取引は、原処分と異なり、平成13年3月期の「b製品」並びに平成14年3月期の「a製品」、「b製品」及び「d製品」の各取引のみと解するのが相当である。
 しかしながら、当該各取引に係る当審判所認定の国外移転所得金額は、いずれの事業年度も原処分額を上回ることとなるから、本件更正処分は適法というべきである。
 租税特別措置法関係通達66の4(4)−1は、利益分割法において分割対象とされる租税特別措置法施行令第39条の12第8項第1号に規定する「所得」は、原則として、売上総利益や当期純利益ではなく、事業活動の直接の結果を示す営業利益を用いることが合理的であることを明らかにしたものであって、営業損失を分割の対象から排除すべきか否かについて直接言及したものではない。当該所得とは、本件国外関連取引に参加したすべての関連者に生じた当該取引に係る損益(原則として営業損益)の総和をいうと解するのが相当であり、当該所得には、営業損失も含まれるというべきであり、請求人の主張は採用できない。
 また、財務会計上、為替相場の変動による所得とは、取引発生時と決算時又は決済時という2つの時点における為替相場の変動による換算レートの差から算出されるいわゆる為替差損益をいうのであり、財務会計上の営業外損益に属するものである。これに対し、請求人の予算レート(予算策定や事業計画を立てる際に使用するためにあらかじめ定めた円換算レート)と社内レート(外貨建取引を会計帳簿に記録する際の円換算レート)との差により算出される金額は、営業外損益となる為替差損益などではなく、当該所得に含まれるもの(当該所得の計算において除外すべきものではない)というべきであり、請求人の主張は採用できない。
 L部門に属する本件国外関連取引とM部門に属するC研究所の業務内容とは、事業セグメントを異にするというべきであり、同研究所の販売費及び一般管理費は、利益分割法の適用に当たり、本件国外関連取引に関連して支出された費用とみるべきではなく、原処分庁の主張は採用できない。
 一方、D研究所の研究開発業務には、L部門に属する業務が含まれていたものと認められ、同研究所の販売費及び一般管理費は、利益分割法の適用に当たっては、本件国外関連取引に関連して支出された費用とみて、分割対象利益及び分割要因を計算することが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
平成19年2月27日裁決




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