TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼ 裁決事例集 No.48 - 119頁

 原処分庁は、請求人(医院)の同族会社に対するリース料(「本件リース料」)の支払につき、所得税法第157条を適用して更正処分をした。
 請求人は、更正通知書に附記された理由は、「適正な償却費」とは具体的に何を意味しているか不明であり、その額が「所得税の負担を不当に減少させる」こと、「リース料の妥当性」及び「適正なリース料の算定」とどう関係するのか、その判断過程が具体的に示されていず、不備である旨主張する。
 ところで、附記された文章の表現をみると、請求人の主張するように、用語の意味及び文章の前後の関連性にやや明確性に欠ける点も認められるが、理由附記が適切であるか否かは、記載された理由全体をみて判断すべきであって、個々の用語又は文章の表現のみによって判断すべきものではない。
 そうすると、本件更正の附記理由では、原処分庁が、どのような資料に基づき、どのような理由で課税処分をしたのか、その根拠、判断過程とも明らかにされているというべきであり、理由附記に不備はない。
 各年分の適正リース料の額は、比準会社のリース料倍率を適用して算定していることが認められる。そのリース料倍率は、比準会社が、医院等を営む者に対し、リース期間5年でリースしている物件を選定して算定したものであり、その算定の基礎とした比準会社は適正に選定されており、リース料倍率及び適正リース料の額の計算過程のいずれにも誤りはない。
 請求人は、比準会社の規模に類似性がない旨主張するが、本件においては、リース会社がリース物件をリースするに当たって、医院等を営む者に対し、通常行われているリース取引に係るリース料の額、つまり取引内容の類似性を判断すれば足りるのであって、リース会社の規模の類似性についてまで判断要素とする必要は認められない。
 したがって、本件リース料の額の支払に関する請求人の行為又は計算が、所得税法第157条に規定する請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認定した本件更正処分は相当であり、本件リース料の額のうち、各年分の適正リース料の額を超える部分の金額は、各年分の事業所得の金額の計算上、必要経費の額に算入することはできない。

平成6年12月22日裁決




類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

青色申告書に係る更正の理由附記に不備はなく、また、医療機器の支払リース料について、所得税法第157条“同族会社等の行為又は計算の否認”を適用して更正処分をしたこ...


... ▼ 裁決事例集 No.48 - 119頁  原処分庁は、請求人(医院)の同族会社に対するリース料(「本件リース料」)の支払につき、所得税法第157条を適用して更正処分をした。  請求人は、更正通知...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...50600.html

請求人の行うリースバック取引が法人税法施行令第136条の3第2項に規定する実質的に金銭の貸借であると認められる一連の取引に該当するとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.72 - 346頁  請求人は、リース業を営むJ社から同社が顧客へリースしている物件をいったん買い取り、当該物件を直ちにJ社へリースする取引及び試薬品販売業を営むK社から同社が...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

類似業種比準方式における1株当たりの利益金額の計算上、匿名組合契約に係る分配金は非経常的な利益ではないから法人税の課税所得金額から控除すべきではないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.75 - 594頁  類似業種比準方式における、匿名組合員である評価会社の「1株当たりの年利益金額」については、評価通達が、「1株当たりの年利益金額」の計算を法人税の課税所得金...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...50600.html

建物附属設備のセール&リースバック取引を金融取引であると認定した事例


... ▼ 裁決事例集 No.64 - 324頁  請求人は、本件賃貸借契約は20年契約であるが、5年後にK社の関係会社へ譲渡することが可能であるというオプション付であること、6年目以降の賃料が不確定である...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...50600.html

リース会社から割賦で買い受け、同日当該リース会社にリースするとの契約により、当該資産につき、少額減価償却資産として、購入価額の全額を損金算入した経理処理について...


... ▼ 裁決事例集 No.46 - 156頁  請求人、リース会社、メーカー、最終使用者における一連の取引は、リース会社が本件物件を最終使用者に賃貸するに当たり、実質的には本件物件を取得することのない請...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

同族会社に支払った医療機器等の賃借料の額が過大であるとして、所得税法第157条を適用した更正処分は適法であるとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.64 - 207頁  請求人は、自己が取締役を務める同族会社との間で行った医療機器等の賃貸借契約はレンタル方式であるにもかかわらず、原処分庁は賃貸借契約に係る回収期間を経過した...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...50000.html

出資口の譲渡について、売買契約の要素に錯誤があるとして契約解除したことが、国税通則法第23条第2項に規定する「やむを得ない理由」に該当しないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.65 - 9頁  請求人は、保有していた同族会社の出資口の譲渡について、本件売買契約に当たっては、譲受人に新たな課税関係が生じないことが重要な要素となっていたのであるから、重要...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...30100.html

リース取引物件の内容仮装は、隠ぺい又は仮装の行為に当たるとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.73 - 79頁  請求人は、N社が施行した建築工事等に係る本件建物附属設備等の見積金額を同社から調達する器具・備品等の見積金額に上乗せさせる方法で、リース取引の目的とする資産...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

個人で病院を営む請求人が同族会社に支払った管理委託料は、当該同族会社と類似同業者の収受する管理委託料に比準して算定した適正管理料に比して不当に高額であるとして所...


... 裁決事例集 No.37 - 100頁  請求人は、各年分の所得税の負担を不当に減少させるために同族会社を設立し、管理委託料を支払ったものではなく、また、所得税第157条に規定する「不当に」の判断は、...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

青色申告に係る年分の所得金額を更正する場合の理由付記の程度について適法とした事例


... 裁決事例集 No.38 - 93頁  青色申告に係る年分の所得金額の更正を行う場合における、更正の理由付記の程度としては、納税者の申告のいかなる点にどのような誤りがあり、また、更正された数値がどのよ...

詳細を表示する