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キャストに支払った金員は給与等に該当するとした事例(平成26年4月、平成26年10月、平成26年12月、平成27年3月から平成27年5月まで及び平成27年7月の各月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに平成26年10月分の重加算税の賦課決定処分、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分、平成26年3月、平成26年5月から平成26年9月まで、平成26年11月、平成27年1月、平成27年2月及び平成27年6月の各月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに平成26年3月から平成26年9月まで及び平成26年11月から平成27年7月までの各月分の不納付加算税及び重加算税の各賦課決定処分並びに平成26年10月分の不納付加算税の賦課決定処分、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分、平成23年4月1日から平成24年3月31日まで、平成24年4月1日から平成25年3月31日まで、平成25年4月1日から平成26年3月31日まで及び平成26年4月1日から平成27年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分・一部取消し、〜棄却・平成30年1月11日裁決)


▼ 平成30年1月11日裁決
《ポイント》
 本事例は、給与所得とは雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいい、とりわけ、給与所得については、給与支給者との関係において何らかの空間的、時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるものであるかどうか、いわゆる労務の提供等の従属性が重視されなければならないとして判断したものである。
《要旨》
 請求人は、請求人が営むキャバクラ店において接客業務に従事する女性(キャスト)は請求人から時間的、空間的な拘束を受けておらず、営業で必要な費用(携帯電話代金等)を負担しているから、キャストへの支給額(本件支給額)は所得税法第27条《事業所得》第1項に規定する事業所得に該当する旨主張する。
 しかしながら、キャストは接客業務に従事するに当たり、請求人との間で、給与体系、勤務時間及び店舗規則などの勤務条件について合意していたこと、請求人はキャストの勤務時間又は接客時間を管理していたこと、キャストは指名客以外の客に対しても店長の指示により接客していたことが認められるから、キャストは入店から退店までの間は請求人の管理下にあったと認められ、請求人から空間的、時間的な拘束を受け、継続的又は断続的に労務又は役務の提供をしていたとみることができる。そして、キャストが営業のために必要な費用の一部を負担しているとの請求人の主張を考慮しても、本件支給額は接客時間等を基準に各種手当て及びペナルティの有無を勘案して算出されていること、採用後1、2か月間は一定の時給が保証されていること、キャストは客に対する売掛金を回収する責任を負っていなかったことからすれば、キャストは自己の計算と危険において独立して事業を営んでいたものとみることはできない。以上によれば、本件支給額は、キャストと請求人との雇用契約に基づき、請求人の指揮命令に服して提供した労務の対価であるから、所得税法第28条《給与所得》第1項に規定する給与等に該当する。ただし、本件支給額に係る源泉所得税の額の計算等に誤りが認められるから、納税告知処分及び重加算税の賦課決定処分の一部を取り消すべきである。
《参照条文等》
 所得税法第28条第1項、第183条第1項及び第185条第1項
《参考判決・裁決》
 最高裁昭和56年4月24日第二小法廷判決(民集35巻3号672頁)




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