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▼ 裁決事例集 No.57 - 206頁
 請求人は、請求人の代理店は、[1]自己の責任で顧客との契約を行っていること、[2]自己が負担すべき車代、本代及びアルバイト代等を負担していること及び[3]一定の期間において継続して請求人の扱う商品の販売活動を行っている者はほとんどいないことから、代理店は独立した営業者であり、外交員には該当しない旨主張する。
 しかしながら、外交員とは、事業主の委託を受け、継続的に事業主の商品等の購入の勧誘を行い、購入者と事業主との間の売買契約の締結を媒介する役務を自己の計算において事業主に提供し、その報酬が商品等の販売高に応じて定められている者をいうと解されている。
 これを本件についてみると、[1]請求人と代理店との間で本件販売委託契約が締結されていること、[2]請求人の仕入先との本件販売契約書において顧客との取引がクーリングオフされた場合には、請求人が責任をもってその処置に当たることとされていること、[3]クレジット申込書の販売店欄に請求人の別称の記載がされていることからすれば、本件商品の顧客との売買契約の当事者となるのは、代理店ではなく請求人と認められ、代理店はその当該契約の媒介を行っているものと認められる。
 また、本件販売委託契約書の内容に照らせば、代理店は本件販売委託契約書に基づき、請求人から請求人の扱う商品について、請求人と顧客との間の売買契約の申込みの勧誘及び媒介業務の委託を受け、請求人と顧客との間の売買契約の締結を媒介する役務を請求人に提供しているものと認められる。
 さらに、代理店が請求人から受領する本件委託販売手数料は、代理店が販売した商品ごとにあらかじめ手数料率に基づき売上金額に応じて算定されており、本件販売委託契約書には契約期間の定めがあることから、代理店は請求人とその契約期間内において継続的な関係を有しているものと認められる。
 そうすると、代理店は、請求人との本件販売委託契約書に基づき、請求人の指定する商品について請求人との間の売買契約の申込みの勧誘及び媒介業務の委託を受け、本件経費相当額を負担して継続的に請求人と顧客との商品の売買契約を媒介する役務の提供を行っているものであり、その役務の提供に対する対価の額は、販売した商品ごとに請求人があらかじめ定めた手数料率に基づき、売上金額に応じて支払われていることが認められるから、これらの事実によれば、代理店は外交員に該当し、本件委託販売手数料は外交員報酬に該当するものと認められるから、請求人には所得税法第204条第1項に規定する所得税の源泉徴収義務があると解するのが相当である。
 なお、平成8年3月分の源泉所得税の額に誤りが認められるので、当該部分に係る納税告知処分はその一部を取り消すべきである。
平成11年3月11日裁決




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