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▼ 裁決事例集 No.66 - 49頁
 重加算税制度の趣旨からすれば、隠ぺい又は仮装行為については、その行為者は納税者たる法人の代表者に限定されるものではなく、法人の代表者がその事実を知らなかったとしても、役員や従業員等で経営に参画していると認められる者及び納税者の申告行為に重要な関係のある相当な権限を有する地位に就いている者が事実を隠ぺいし又は仮装し、かつ、代表者がそれに基づき過少申告した場合は、当該法人の代表者が納税申告をするに当たり、隠ぺい又は仮装行為を知っていたか否かに左右されることなく、当該法人の行為と同一視されると解される。
 本件について判断すると、請求人の経理業務を任され、広範な経理業務に従事していた従業員Nは、売上げ及び売掛金については、「売掛残高一覧表」に真実の売上げを記載していたにもかかわらず、売上代金として受け取った手形の一部をNが開設した請求人名義の預金口座で取り立て着服する一方で、取引先に係る売上げ及び売掛金の入金の各金額を過少に記載し、経理帳簿を仮装していたことが認められる。
 そして、Nは、請求人の印鑑、通帳だけでなく、請求人の代表者の私印についても預けられるなど、その信頼は厚かったのであり、請求人の経理業務全般について任された上、決算や確定申告に関わる経理帳簿等の作成等に従事するとともに、請求人の確定申告書の「経理責任者自署押印」欄に自分の氏名を記名、押印し、これを提出していることからすると、請求人の申告行為に重要な関係のある相当な権限を有する地位に就いている従業員であると認められる。
 そうすると、Nは、請求人の申告行為に重要な関係のある相当な権限を有する地位に就いている従業員であり、同人の行為は請求人の行為と同一視すべきであるといわざるを得ない。
平成15年12月16日裁決




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