▼ 裁決事例集 No.74 - 133頁 法人税法第35条第4項に規定する「臨時的な給与」の意義については、法令に格別の規定はないが、同項が、「毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づいて支給される給与」も「臨時的な給与」に含まれ得ることを前提として、「他に定額の給与を受けていない者」に対し支給したものについてこれを「臨時的な給与」のうちから除外していること並びに社会通念によって考えれば、単に当該給与の支給時期又は支給額が予め定められているか否かのみによって一律に決まるものではなく、その支給時期、支給回数及び支給の趣旨等を、年間のその他の給与の支給状況全体との関連において考察し、これによって当該給与が経常性のない一時的なものと認められるときは、同項に規定する「臨時的な給与」に該当するものと解するのが相当である。 これを本件についてみると、本件未払金勘定貸方計上額は、その支給時期及び支給回数が使用人の賞与の支給日及び支給回数と同じであることからすると、その全額が経常性のない一時的なものと認めるのが相当であること、平成17年7月計上額は、その計上日にその全額が各役員に対し支給されているところ、同人らに対する同月の前3か月及び後4か月の各支給額が、それぞれ定額であることからすると、同人らに対する各支給額のうち当該各定額を超える額は、支給状況全体との関連から、経常性のない一時的なものと認めるのが相当であること、平成17年12月計上額のうちHに係る計上額は、その計上日にその全額が同人に対し支給されているところ、同人に対する同月の前後3か月の各支給額が定額であることからすると、同人に対する支給額のうち当該定額を超える額は、支給状況全体との関連から、経常性のない一時的なものと認めるのが相当であること、平成17年12月計上額のうちE、G及びFに係る各計上額は、その計上日にその全額が同人らに対し支給されているところ、同人らに対する同月の前4か月の各支給額が上記のとおり定額であり、また、同人らに対する同月の後7か月の各支給額も、それぞれ定額であることからすると、同人らに対する各支給額のうち上記各定額(同月の後7か月の各支給額)を超える額は、支給状況全体との関連から、経常性のない一時的なものと認めるのが相当であり、比較する各定額が平成17年12月の後7か月の各支給額ではなく、同月の前4か月の各支給額であることについては、これを認めるに足る証拠はないのであるから、比較する各定額は同月の後7か月の各支給額とするのが相当であることから、本件未払金勘定貸方計上額並びに上記、及びの各超過額は、法人税法第35条第4項に規定する「臨時的な給与」すなわち役員賞与に該当し、本件各事業年度の損金の額に算入することはできない。 平成19年12月5日裁決 |
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